“スキップフロア”はまずデメリットを知ってから|失敗しないための間取りのポイントを解説
住宅展示場を訪れると、スキップフロアのあるおしゃれな家を見かけますよね。
ここ数年とても人気で、おしゃれな住宅を建てたい方から注目されています。
ところが、実際に住み始めて不便さを感じている方は少なからずいらっしゃいます。
そこで、今回は“スキップフロア”の家を後悔しないためにまず知っておいていただきたいデメリットについて詳しく解説します。
間取りを失敗しないためのポイントや、多くの方からご質問いただく点も併せて紹介しますので、これからご自宅の新築を検討する方は、ぜひ参考にしてください。
コラムのポイント
- ●人気のスキップフロアですが、事前に知っておくべきデメリットや注意点があります。
- ●スキップフロアのある家を建てたい場合は、設計施工実績が豊富な会社へ相談しましょう。
- ●クレアカーサは、千葉県・茨城県で「敷地の条件」「予算の条件」「家族の条件」全てを実現できる快適&省エネな家づくりを行っています。
目次
スキップフロアとは|中二階・小上がり・半地下・ダウンフロア
スキップフロアとは、1つの階に高さの異なるフロアが複数ある間取りのことです。
場所によって呼び名が変わります。
「中二階」
1階と2階のちょうど中間レベルにある空間で、階段を数段上がってアクセスできます。
「小上がり」
1階の床レベルから30〜40cm程度上がったところにある空間で、腰掛けて上がれます。
「半地下」
1階から半階ほど下がった空間で、階段を数段下がってアクセスできます。
「ダウンフロア」
リビングなど広い場所の一部を30〜40cm程度下げた空間です。
これら以外にも、2階建ての建物高さに、3階・4階と螺旋状にレベルの違うスペースをいくつも作る事例もあります。
スキップフロアはおしゃれな施工事例に採用されることも多く、みなさん一度は見かけたことがあるはずです。
〈ブログ・SNSで見る〉スキップフロアのデメリットや後悔した理由|老後・費用・空調・掃除
「おしゃれな家にしたい」「他の家とは違う間取りにしたい」という方から人気の高いスキップフロアですが、ブログやSNSを見ると、住み始めて不便さを感じてしまう方もいるようです。
その原因は、デメリットを事前にチェックしておかなかったからかもしれません。
では、スキップフロアのデメリットを一つずつ紹介します。
- ●段差が増えて上り下りが大変になる
- ●建築コストが高くなる・耐震性を確保するために工夫が必要
- ●匂いが広がりやすい
- ●掃除の手間が増える
- ●空調効率が悪くなる可能性がある
- ●怪我に注意が必要
「段差が増えて上り下りが大変になる」
スキップフロアを作るれば、玄関の上がり框や上下階をつなぐ階段以外に段差が増えます。
つまり、生活の中で上り下りするシーンが必然的に増えてしまうのです。
そのため、いざ住み始めてみて「段差の上り下りが大変」と感じてしまう方は少なくありません。
スキップフロアを作る場合は、頻繁に行き来する場所や家事に関連する場所は避けた方が良いでしょう。
メインの空間よりも、書斎やお子さんの遊び場など、“サブ的”場所がおすすめです。
また、住み始めてから10年後・30年後と、老後も踏まえた間取り検討が欠かせません。
「建築コストが高くなる・耐震性を確保するために工夫が必要」
シンプルな床の家と比べると、スキップフロアのある家は、床の構造が複雑になります。
また、そのままでは床が分断されて、地震の揺れが均等に逃げず、柱や壁に負荷がかかるリスクもあります。
そのため、構造計画に工夫が必要で、その分材料費や工事費が割高になる点は否めません。
スキップフロアのある家を建てたい場合は、設計・施工実績のある会社へ相談しましょう。
耐震性の高い住宅を作っているかどうかも建築会社選びの重要なポイントです。
「匂いが広がりやすい」
スキップフロアは、大空間に用途の違う空間を配置します。
LDKに面して作られることが多いため、音や匂い、油煙が広がるのが気になるという方は少なくありません。
匂いの広がりが気になる方は、「第一種換気方式」の24時間換気システムを採用しましょう。
家中の空気をファンで強制的かつ計画的に入れ替えられるため、室内が常に新鮮な空気で満たされます。
全館空調にも、第一種換気方式が採用されているので、匂い対策に同様の効果が期待できます。
「掃除の手間が増える」
段差が増えると、掃除の手間も増えてしまいます。
掃除中にフロアを上り下りしなくてはいけないだけではなく、ロボット掃除機で清掃できる範囲が狭まる点にも注意しなくてはいけません。
また、人が周りを頻繁に行き来する場所に面したダウンフロアですと、埃やチリが溜まりやすくなる可能性もあります。
スキップフロアを作る際は、どのように掃除するのか生活ルーティーンをしっかりイメージしておきましょう。
ロボット掃除機を使いたい方は、その動線にも配慮しなくてはいけません。
「空調効率が悪くなる可能性がある」
複数の空間が間仕切り壁なしで繋がるため、エアコンの効きが悪くなるという感想も耳にします。
確かに、スキップフロアは部屋の容積が大きくなるため、大きめのエアコンが必要ですし、空調されるまで時間がかかります。
高断熱住宅にすれば、真夏や真冬もそれほど室温が上がり下がりしませんし、短時間エアコンをつけるだけでも広範囲を空調できます。
また、全館空調システムであれば、空調ムラや部屋ごとの効率はあまり気になりません。
「怪我に注意が必要」
高齢者や小さい子供の家庭内事故で最も多いのが、階段などからの転落で、それに次ぐのが段差などによる転倒です。(参考:消費者庁|家の中の事故に気を付けましょう!)
加齢とともに段差を認識しにくくなったり足が持ち上がらなくなったりすると、階段だけではなく小さな段差でもつまずきやすくなってしまいます。(参考:政府広報オンライン|たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?)
家庭内事故を防ぐためにも、通り道の近くにスキップフロアを作らないようにしましょう。
また、段差部分で床材を変えるなど、視覚的に段差を分かりやすくすることもポイントです。
スキップフロアのメリット
スキップフロアには、デメリットや注意点だけではなく、メリットもあります。
デザイン性が注目されがちですが、それ以外にも間取りに取り入れることで生活が豊かになります。
では、それぞれ詳しくみてみましょう。
- ●インテリアのアクセントになる
- ●空間を緩やかに繋げられる
- ●収納が増える
- ●家の奥まで採光しやすい
- ●傾斜地でもスペースを無駄なく使える
「インテリアのアクセントになる」
スキップフロアの採用を検討する場合、多くの方はそのデザイン性を気に入っているケースが多いでしょう。
スキップフロアを取り入れると空間が立体的になり、シンプルなインテリアに個性をプラスできます。
「空間を緩やかに繋げられる」
スキップフロアは床レベルで区分けするため、空間が緩やかにつながり、間仕切り壁の多い間取りと比べて開放的な印象になります。
そのため、キッチンで料理しながらお子さんの遊んでいる声が聞こえたり、つながった空間にいながらも個人個人で1人の時間を楽しめたりできます。
「収納が増える」
スキップフロアにして段差を作ると、その下を収納スペースとして活用できます。
そのため、クローゼットなどの収納スペースをうまく作れない場合や、家具を置きにくい場合、“見えない収納”をたくさん作りたい場合にもおすすめです。
「家の奥まで採光しやすい」
スキップフロアは間仕切り壁を減らせるため、部屋の奥まで陽の光を届けやすくなります。
そのため、南北に深い間取りや、窓を全面につけられない間取りにおすすめです。
「傾斜地でもスペースを無駄なく使える」
敷地が傾斜地の場合、平らな床の家を建てようとすると、大掛かりな造成工事をしなくてはいけません。
ところが、土地の傾斜に沿ってスキップフロアを作れば、造成工事はそれほど必要ないでしょう。
そのため、工事費削減や工期短縮できる可能性があります。
あらかじめご了承ください。
スキップフロアに関するよくある質問FAQ|用途・延べ床面積・税金
「スキップフロアの家にしようか迷っている」という方からよくいただく質問を紹介します。
マイホームを後悔したくない方は、ぜひ参考にしてください。
Q.「どんな場所をスキップフロアにするのがおすすめ?」
スキップフロアに適した空間はご家族構成やライフスタイルによって異なりますが、よく採用されるのが以下のスペースです。
畳スペース
フローリングのリビングでは床に直接座ったり寝転んだりしてくつろげませんが、小上がりの畳スペースでしたらのんびりリラックスできます。
個室の和室を作るよりも省スペースな点も人気のポイントです。
小さいお子さんの遊び場やおむつ替えスペースとしてもおすすめします。
書斎・ワークスペース
1階と2階の間に書斎やワークスペースを設けるのもおすすめです。
個室ですと用途が限定されてしまいますが、スキップフロアだと仕事をしない時間帯はフリースペースとして活用できます。
セカンドリビング
セカンドリビングとは、来客用スペースと切り分けた家族だけのくつろぎ空間です。
スキップフロアで区切ると、リビングの一角がプライベートなスペースになります。
ダウンフロアリビング
リビングの一角を一段下げる間取りで、洋間でも床に座ってくつろぎやすくなります。
土間キッチン
周りの床レベルより一段下がった土間キッチンも人気です。
床材を水洗いしやすい素材にすれば、汚れも気になりませんし、勝手口を作れば、買い物帰りに靴のままキッチンへアクセスできます。
また、ダイニングテーブルに腰掛けている人と、立って調理している人の目線が合う点もポイントです。
Q.「スキップフロアは延べ床面積に入る?」
建築基準法では、床面積へ算入されるのは「天井高が1.4mを超える範囲かつ階床面積の1/2を超える範囲」で、柱・壁などの中心線で囲まれた面積の合計が延べ床面積になります。
つまり、天井高が1.4m以内であれば、延べ床面積に入りません。
ただし、戸建て住宅の標準的な天井高は2.2〜2.4m、最近はそれ以上に高くする場合もあるため、1.4m以内ですとかなり圧迫感があるでしょう。
そのため、狭小地など延べ床面積の上限が小さく、無理に中二階などを作るのはあまりおすすめできません。
※延べ床面積の算定については、天井高以外の要素も関連しますので、詳しくは自治体の担当部署へお問い合わせください。
Q.「スキップフロアは固定資産税が安くなるって本当?」
税法上も、柱・壁などの中心線で囲まれた面積の合計が延べ床面積です。
ただし、天井高の基準が少々異なり、「一室の一部が天井の高さ1.5 m未満であっても、その部分は当該ー室の面積に算入する(準則第82条第1号)」とされています。
つまり、天井高が1.4m以内の場合、建築基準法条の延べ床面積には算入されませんが、固定資産税額の算定面積には含まれるということです。
そのため、「スキップフロアにすると固定資産税が安くなる」という可能性はほとんど期待できません。
※固定資産税の算出については、自治体によって判断が異なる場合がありますので、詳しくは担当部署へお問い合わせください。
茨城・千葉で“高性能デザイン住宅”を建てたい方はクレアカーサへ相談を
「デザインにこだわった家」「災害に強い家」「省エネ性の高い家」「快適に過ごせる家」を建てたい方は、まずクレアカーサにご相談ください。
クレアカーサは、千葉県・茨城県で「敷地の条件」「予算の条件」「家族の条件」全てを実現できる家づくりを行っています。
- 【断熱性能】
UA値は標準仕様で「ZEH」相当、エリアでは函館クラスの断熱性能を有しています。(間取り等により誤差があります。ご了承ください。) - 【地震に対する備え】
建物を支える「基礎・ベタ基礎配筋・ひのき土台・軸組み+パネル工法・格子剛床構造」にもこだわっています。 - 【豊富なオプション】
「制振システム」や「床下用エアコン+全熱交換型換気システムを連動させた全館空調システム」をご用意しております。
茨城・千葉でおしゃれな家の新築を検討中の方は、施工実績が豊富なクレアカーサへご相談ください。
クレアカーサが、「ウチ+ソト+ニワ」のトータルデザインをコンセプトに、理想のマイホームづくりをお手伝いいたします。
オンライン無料相談やショールームでは、家づくりのプロが土地選びや資金計画、間取りの疑問・その他住まいに関するお悩みをうかがいますので、ぜひお気軽にご利用ください。
あらかじめご了承ください。