注文住宅で削れるところとは|新築の家づくりで予算オーバーする原因やコストダウンの工夫を紹介
注文住宅は自由に設計できる反面、こだわりすぎて費用が膨らんでしまうケースは珍しくありません。
予算オーバーを防ぐには、どこを削ってよいか・どこは削ってはいけないかの判断が重要です。
この記事では、削れるポイントと後悔しやすい部分、満足度を下げずにコストダウンする工夫について具体的に解説します。
● 注文住宅の計画で予算オーバーする原因と削れるポイントを解説いたします。
● 予算オーバーした金額ごとの削れる部分や削ると後悔する場所を紹介するので、家づくりの参考にしてください。
● クレアカーサは、茨城県で「敷地の条件・予算の条件・家族の条件」全てを実現できる快適&省エネな、家づくりを行っています。
施工事例
目次
注文住宅の家づくり|予算オーバーの原因
注文住宅は、自由に間取りや設備を決められる一方で、計画が甘いと予算オーバーに直結します。
とくに「想定していなかった費用」や「見積もりの読み違い」が後から発覚するケースは少なくありません。
ここでは、家づくりにおいて、なぜ費用がオーバーするのか、主な理由を4つに分けて解説します。
家づくりの基本知識がなく見積もりが甘い
「なんとなく」のイメージだけで家づくりを進めてると、いつの間にか予算オーバーしてしまいます。
家づくりは、土地の条件、依頼する会社によって建築費は大きく異なるため、費用感を把握することが重要です。
そのため、建てる地域の施工会社やハウスメーカーのホームページや住宅展示場を参考に、以下のような「自分に近い条件」で事例を探すと、現実的な金額がイメージしやすくなります。
● 自分が建てたい地域
● 似たような家族構成
● 似たような家の希望
専門的な知識はなくても、希望と合わせて全体像を把握することで大きな費用のズレが生じにくく、安心して家づくりを進められます。
本体工事だけしか考えていない
注文住宅の見積書が「概算」の段階だと、建物本体の金額だけが記載されているケースが多くあります。
外構工事や上下水道やガス管の引き込み工事、エアコンの設置費用などは、条件や希望によって大きく変動しやすいため、概算に含まれない場合がほとんどです。
そのため、「見積書で提示された金額=建物本体価格」だけで予算を組んでしまうと、あとから数百万円単位の出費が追加され、予算オーバーにつながります。
また、登記費用や火災保険料、住宅ローンの手数料なども見積もりには含まれていない場合が多いので、見積書の内容に含まれているものと、いないものの把握が大切です。
建築費以外にかかる諸経費を把握していない
注文住宅の家づくりにおいて、建築にかかる諸経費を把握していないケースも、予算オーバーにつながる原因のひとつです。
諸経費とは、以下のような費用を指します。
● 住宅ローンの手数料や保証料
● 登記にかかる司法書士への報酬
● 火災保険や地震保険料
● 仮住まいや引越しにかかる費用
諸経費は建築費用の10〜12%ほどを見込むのが一般的と言われています。
さらに、ガス・電気・ネット回線などの「ライフライン整備」が必要な土地の場合、さらに費用がかかる可能性があります。
設備にこだわりすぎている
キッチンや浴室、トイレなど最新設備や高級仕様にこだわると、予算オーバーの原因になります。
一例として、キッチンにセラミック製の天板(作業台の一番上の平らな部分)や海外製の食洗器、浴室に大理石などを導入すると数十万から数百万円単位で費用がアップします。
そのため、どこにお金をかけるか、標準仕様で十分な部分はどこかを見極めることで、満足度を保ちながらコストを抑えやすくなります。
注文住宅で費用を削れるところ5選
注文住宅は、自由度が高い分、こだわりが増えるほど費用が膨らみます。
そのため、予算内で満足度の高い家を建てるには、削れる部分の見極めが重要です。
ここでは、費用を削りやすい代表的な部分を5つ紹介します。
複雑な形状の外観
外観が複雑な場合は、形をシンプルにするだけでも建築費を大きく削ることが可能です。
家の形は四角に近いほど構造がシンプルで無駄が少なく、建築費と維持費の両方を抑えられます。
一方で、複雑な形状の外観は、デザイン性が高くおしゃれな印象がありますが、雨水やホコリが角にたまり、外壁や屋根の劣化が進みやすい傾向があります。
さらに、複雑な形状ほど工事やメンテナンスのコストが上昇しやすく、外観はシンプルなほど削減しやすい点が特徴です。
部屋の数
部屋の数を最小限に減らすだけでも、建築費を大幅に削ることが可能です。
部屋同士を仕切る壁や扉には、素材や大きさによって異なりますが、1か所あたり数万円から数十万円の削減が期待できます。
そのため、部屋の数が多いほど、必要な建築資材や電気配線・空調設備も増え、それに伴う工事費用も発生します。
一例として、広い部屋をひとつ作り、将来的に家具や簡易な仕切りで子ども部屋として対応するのも、費用を削る方法としておすすめです。
延べ床面積
注文住宅で費用を削るなら、延べ床面積(家の広さ)の見直しも効果的です。
家が広くなるほど、材料費・施工費・設備費などが増加し、全体の建築コストが上がります。
たとえば、収納を1か所にまとめる、廊下を少なくするなどの工夫で、面積を抑えることが可能です。
また、ロフトは延べ床面積に含まれないため、収納や作業スペースとして上手に活用すれば、空間を増やしながら費用を抑える手段になります。
水回り
トイレやキッチン、浴室などの水回りは、可能な限り近くにまとめると費用を削ることが可能です。
水道の配管工事は、管の直径や地盤により異なりますが、1メートルあたりおよそ5,000円~2.5万円の工事費が必要です。
近くにまとめると、配管が短くなり、工事もシンプルになってコストをおさえられます。
設備のグレード
注文住宅で費用を削るなら、設備のグレードを見直すだけでも有効です。
最新の設備や高機能な仕様は魅力的ですが、すべてにこだわると費用が一気に膨らみます。
たとえば、タンクレストイレや自動開閉式の水栓、床暖房や浴室乾燥機のような機能を追加すると、数万〜十数万円の費用アップになることもあります。
設備は日々の生活に大きく関係する部分ですが、「譲れない条件」と「標準仕様で十分」のバランスを保ちつつコストを抑えるのが、満足度を高めるコツです。
注文住宅でオーバーした予算別に削れるところを紹介
予算オーバーの金額によって、見直すべきポイントや削れる部分の優先度は異なります。
ここでは、300万円・500万円・1,000万円と、オーバーした予算に分けて紹介します。
予算オーバー300万円の場合
新築の注文住宅で、予算オーバーしても構造や間取りに大きく手を加えず、調整しやすい金額帯が300万円です。
たとえば、照明やエアコンなどの設備を量販店やネット通販等を利用して自分で用意する「施主支給」に切り替えれば、費用も抑えやすくなります。
また、トイレを2か所で計画していた場合は、1か所に減らすだけで、本体・設置工事・建材費をあわせて数十万円の削減につながります。
オプションの見直し、標準仕様へ切り替えなど、「こだわる部分」と「今は必要ない部分」の選択が、300万円の予算調整を成功させるポイントです。
予算オーバー500万円の場合
500万円以上オーバーした場合は、設備や外構の調整だけでは対応が難しく、建物全体の構造や間取りそのものを見直す必要があります。
見直し部分の一例は、以下のようなポイントです。
● 和室をやめてリビングの一角を畳スペースにする
● 子ども部屋を1部屋にまとめ、将来的に仕切る
● 各部屋の収納を減らし、集約する
● 凹凸の少ない四角い間取りにする
このような工夫で、建築費や工事費が抑えられ、オーバーした500万円分を削れる可能性が高くなります。
また、将来的なメンテナンス費用も軽減できるため、家族の暮らしやすさを損なわない範囲で構造と間取りの「シンプル化」を図るのがポイントです。
予算オーバー1,000万円の場合
1,000万円を超える予算オーバーでは、設備や間取りの調整だけでは難しく、建物や土地を含めた全体の見直しが必要です。
とくに土地代は予算に与える影響が大きく、場所を少し変えるだけで数百万円単位の差が出ることもあります。
40坪の住宅を建てた場合の土地価格を、茨城県の中心地である水戸市と、住宅地として人気のエリア4つを比較してみました。
エリア | 坪単価 | 40坪の土地価格 | 水戸市との差額 |
水戸市 | 約17.3万円 | 約692万円 | - |
ひたちなか市 | 約11.0万円 | 約440万円 | 約252万円 |
常陸太田市 | 約7.6万円 | 約304万円 | 約388万円 |
鉾田市 | 約3.7万円 | 約148万円 | 約544万円 |
行方市 | 約3.5万円 | 約140万円 | 約552万円 |
水戸市のような中心部と比べて、周辺エリアを選ぶだけでも、オーバーした部分を大幅に削れる可能性が高くなります。
また、延べ床面積の見直しでさらに建築コスト削減につながるので、場所と広さ、使いやすさに重点を置いて全体的な見直しを進めてください。
参照:土地代データ
注文住宅の予算を削ると後悔する4つの場所
予算オーバーを解消するには、あらゆる部分の見直しが必要ですが、削ってしまうと将来のメンテナンス費や快適性に直結してしまう可能性があります。
住み始めてから「やっぱり削らなければよかった」と気づいても、もう手遅れとなるケースも少なくありません。
ここでは「削らない方が良い」とされる4つの重要ポイントについて解説します。
屋根・外壁の素材
屋根や外壁の素材は、予算を削ると後悔しやすい代表的なポイントです。
セメントを主成分としたスレート屋根や窯業系サイディングは価格を抑えられますが、10年ほどで塗装が必要になり、耐用年数も約30年と言われています。
一方、ガルバリウム鋼板やタイル外壁のような高耐久な素材を選べば、15年〜40年ほどメンテナンスの手間を減らせる上、耐用年数も30年~50年と長いのも特徴です。
目先の安さに飛びつくより、「どれくらい持つか」という視点で選ぶことが、結果的に負担を抑える近道です。
耐震構造に関わる部分
耐震構造は等級1と3を比較すると50万~100万円ほど価格差が生じる部分であるため、削りたくなる項目のひとつですが、家族の安全を守る上で非常に重要な要素です。
耐震等級は以下の3つに分類されており、数字があがるほど耐震性能および工事費用が高くなります。
耐震等級 | 耐震性能の基準 | 想定される被害 | メリット・特徴 |
耐震等級1 | 建築基準法を満たす最低限の耐震性能 | 震度6強~7で倒壊はしないが損傷の可能性あり | 初期費用を抑えられる |
耐震等級2 | 等級1の1.25倍の耐震性能。 主に学校や病院などに使われるレベル |
中程度の地震では損傷しにくい | 災害時の被害を軽減できる |
耐震等級3 | 等級1の1.5倍の耐震性能。 消防署や警察署など重要施設に採用されるレベル |
大地震後でも住み続けられる可能性が高い | 保険料の割引や資産価値の維持に有利 |
現在は、耐震等級3の家づくりが標準仕様になっている施工会社・ハウスメーカーも増えてきています。
建ててから後悔しないためにも、費用面に不安がある場合は早めに情報を確認し、家族の安全を最優先に備えておく必要があります。
断熱・気密性能
断熱・気密性能は、毎日の快適さや家計にも大きく影響する部分のため、削ると後悔しやすい部分です。
断熱材のグレードを下げると、夏は暑く冬は寒くなってしまいます。
さらに、冷暖房の効きも悪くなり、結露やカビといったトラブルにもつながりかねません。
また、気密性が低い住宅は、すきま風や音漏れが起きやすくなり、生活そのものがストレスになってしまいます。
断熱・気密性能の良い家は快適さだけでなく、光熱費の節約や家族の健康にもつながるため、注文住宅の家づくりにおいて重要視する部分のひとつです。
防犯対策
防犯対策は後回しに考えがちですが、いざと言うときに「やっておけばよかった」と削ると後悔しやすい部分です。
1階の窓を防犯ガラスにしてシャッターを付ける、ピッキング対策に効果的なディンプルキーや、解錠履歴が残り遠隔操作も可能な電子錠・スマートロックを導入するだけでも、空き巣の侵入を防ぎやすくなります。
さらに、モニター付きインターホンなども、後から取り付けるより新築時に設置する方が手間もコストも抑えられます。
家族の安全を守るためにも、防犯対策は「あとで考える」ではなく、早い段階でしっかり備えることが大切です。
注文住宅の予算オーバーを防ぐには
費用を削る作業は、想像以上の労力や時間がかかります。
無理のない範囲で理想の家づくりは、初期の段階からしっかりと対策を練っておくことが大切です。
ここでは、予算オーバーを防ぐために意識しておきたい4つのポイントを紹介します。
費用の全体像を可視化する
予算オーバーを防ぐには、最初に土地代・建物代・諸経費などをすべて含めた総予算を見える形で整理しておくことが重要です。
建物本体だけでなく、外構工事や住宅ローン手数料、家具家電の購入費など、住み始めるまでに必要な費用をあらかじめ洗い出し、計画に含める必要があります。
とくに諸経費のような「目に見えないお金」は後回しにされがちなので、早めの把握が大切です。
また、建築会社から出される「坪単価」や「見積もり金額」にどこまでの費用が含まれているかを確認することで、途中の仕様変更や追加工事が発生しても、冷静に対応しやすくなります。
優先順位を明確にする
すべてにこだわると、予算がいくらあっても足りないため、優先順位を明確にした資金計画が大切です。
家族のライフスタイルや将来の暮らし方をイメージしたうえで、お金をかける部分と抑える部分を明確にしながら計画を進めます。
「譲れない部分」と「あとで対応できる部分」を見極めておくと、設計中の迷いや追加費用を減らしやすくなり、満足度の高い家づくりにもつながります。
相見積もりをとり比較する
予算オーバーを防ぐには、可能な限り複数の会社から相見積もりをとって比較するのがおすすめです。
1社だけでは費用や仕様の違いに気づきにくく、結果的に割高な契約になってしまうケースもあります。
いくつかのプランを見比べると、価格の相場感がつかめるだけでなく、自分たちの希望に合った内容が見えてきます。
さらに、費用だけでなく、スタッフの対応や説明の丁寧さといった信頼面も含めて比較すれば、納得のいく依頼先が選びやすくなるのも、相見積もりの特徴です。
補助金を活用する
注文住宅の新築で利用できる補助金を活用すると、予算オーバーを回避できる可能性が高まります。
2025年5月現在で実施が確定している主な補助金は、以下のとおりです。
● 子育てグリーン住宅支援事業
● 給湯省エネ2025事業
● 戸建住宅ZEH化等支援事業
自治体独自の補助金が用意されているケースもあるため、最新の情報は公式サイトなどで確認するのがおすすめです。
また、補助金の申請条件や提出方法など細かいルールもあるので、制度に詳しい工務店やハウスメーカーを選ぶと安心して家づくりを進められます。
千葉・茨城で注文住宅をお考えならクレアカーサへ相談を
注文住宅を建てるなら、予算オーバーの不安がないハウスメーカー選びが重要です。
時間をかけて建てる新築住宅だからこそ、予算を削らず理想の住まいを実現させるクレアカーサへご相談ください。
豊富な実績から、予算の範囲内で理想的な注文住宅の提案、補助金のアドバイスまで、お手伝いします。
クレアカーサが、「ウチ+ソト+ニワ」のトータルデザインをコンセプトに、理想のマイホームづくりをお手伝いいたします。
オンライン無料相談やショールームでは、家づくりのプロが土地選びや資金計画、間取りの疑問・その他住まいに関するお悩みをうかがいますので、ぜひお気軽にご利用ください。
