家庭用蓄電池を後悔しないためのチェックポイント|太陽光発電との関係も
災害の備えとして家庭用蓄電池の設置を検討している方も多いでしょう。
しかし、インターネット等で調べてみると、「後悔した」「やめればよかった」などのネガティブな意見も目につきますよね。
そこで、「家庭用蓄電池」を後悔した方の理由と、設置するメリット、導入を迷った際のチェックポイントについて詳しく解説します。
ご自宅の新築・フルリノベーションを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
コラムのポイント
- ●「家庭用蓄電池」はライフスタイルによって設置した方がいい場合とそうでない場合に分かれます。
- ●「家庭用蓄電池」を後悔しないためには、必要性・適切な機種・住宅性能などを総合的に検討することが重要です。
- ●クレアカーサは、千葉県・茨城県で「敷地の条件」「予算の条件」「家族の条件」全てを実現できる快適&省エネな家づくりを行っています。
目次
家庭用蓄電池のメリット
「家庭用蓄電池」とは、太陽光発電システムで得た電力や、電力会社から購入した電力を溜めておける設備です。
実は、政府が取り組んでいるエネルギー政策上でとても重要な役割を果たします。
2021年に公表された「グリーン成長戦略」「第6次エネルギー基本計画」、2022年に公表された「蓄電池産業戦略」「GX基本方針」全てにおいて、家庭用蓄電池の普及は、再生エネルギーの普及、ひいては2050年カーボンニュートラル実現の鍵とされているのです。
そのため、国や都道府県、市区町村では、家庭用蓄電池の導入に対して補助金を支給しています。
その効果もあり、ここ10年間で家庭用蓄電池の導入実績は急増しています。
では、家庭用蓄電池を導入するメリットを紹介します。
「光熱費を削減できる」
蓄電池は、一般的に太陽光発電システムとセットで住宅へ導入されます。
昼間は仕事などで外出しても、蓄電池があれば日中に発電した電力を夜間に使えるからです。
また、雨天時には価格の安い夜間電力を溜めておき、電気代の高い昼間には買電力に頼らず生活できる点もポイントです。
これを、「ピークシフト」と言い、買電力コストを大幅にカットするのに大きな効果があります。
「地球環境に優しい」
蓄電池によって太陽光発電力や夜間電力を溜め込み、昼間の買電力を減らすことで、電力会社が作り出す電力を無駄なく活用できます。
なぜなら、電力会社は私たちの生活を途切れることなく維持するために、最大需要電力量を予測して電気を作るからです。
蓄電池が普及しなければ、最大需要電力量から余った分の電力が無駄になってしまいます。
逆に、一般家庭にも蓄電池が設置されれば、ピークシフトによって、日本全体の電気使用量を平準化でき、最大需要電力量が下がって無駄な電力を作らずに済むのです。
そして、火力発電によって排出されるCO2量を減らせれば、地球温暖化にも歯止めがかけられます。
家庭用蓄電池には「経済優先モード」「グリーンモード(環境優先)」が切り替えられるものもあり、グリーンモードを選べば、太陽光発電力のうち余った分は優先的に蓄電されて、自家消費で使い切れます。
「節電意識が高まる」
家庭用蓄電池に搭載されているモニターや、太陽光発電・最新家電機器を連動させるHEMSでは、太陽光発電量やオンタイムでの電気使用量などが確認できます。
そのため、「電気を使いすぎた」「うまく節電できた」などのデータを把握しやすく、節電意識が高まるという方も少なくありません。
日常的な電気の使い方を“見える化”することこそ、家庭でできる省エネへの取り組み第一歩と言えるでしょう。
「災害時でも電気が使える」
家庭用蓄電池は太陽光発電なしのお宅に導入してもメリットはあります。
なぜなら、災害時など停電した際でも電気を使えるからです。
8kWh容量の蓄電池であれば、照明器具やテレビ、スマートフォンの充電など、消費電力の少ない用途に限定すると2〜3日は持ちます。
太陽光発電ありの場合は、雨天でなければ、停電が数週間続いても、日常生活をある程度維持できるでしょう。
そのため、家庭用蓄電池は、災害用設備としてもとても重要な役割を果たします。
【SNS・ブログで見る】家庭用蓄電池を「後悔した」「やめた方がいい」理由
経済面・環境面・安心面でメリットのある蓄電池ですが、SNSやブログを見ると、家庭用蓄電池を導入したものの「後悔した」「やめた方がいい」というコメントも少なくありません。
では、多くの方が後悔している理由を紹介します。
「初期投資費用が高い」
蓄電池導入の初期費用は、蓄電容量などによって異なりますが、8kWh程度の場合でおよそ150万円かかります。
この導入コストの高さこそ、蓄電池の普及が進まない原因と言えるでしょう。
ただし、近年は各メーカーの努力もあり、初期費用は安くなってきています。
経済産業省の調べによると、2015年と2022年の蓄電システム価格の総額(工事費除く)を比較すると、およそ50%程度まで減っているという結果も出ました。
そのため、これからは、よりリーズナブルに家庭用蓄電池を導入できるかもしれません。
「思ったより電気代が下がらない」
高騰し続けている電気代を下げる目的で蓄電池導入を検討する方も多いでしょう。
ところが、実際に住み始めてみて「思ったより電気代が下がらない」と感じる方は少なくありません。
その原因は、適切な電気料金プランを選定できていなかったり、生活リズムが蓄電池のメリットとうまく噛み合っていないことが考えられます。
例えば、蓄電池を導入する前の夜間電力が安くならないプランのままにしていると、いくら夜に電気を溜め込んでも電気代は下がりませんよね。
また、一日を通してあまり電気を使わない生活をしていたり、長時間家を空けていたりすれば、光熱費削減を実感することは難しいかもしれません。
そのため、蓄電池を導入する際は、メーカーや建築会社と事前シミュレーションをして、本当に必要かどうか確認することが重要です。
「維持やメンテナンスに費用がかかる」
家庭用蓄電池は、バッテリーや分電盤ケーブルなどの定期点検が必要ですし、太陽光発電システムとセットで利用する場合はパワーコンディショナー(太陽光発電で作った電力を家庭で使えるように変換する設備)のメンテナンスも欠かせません。
また、数年経つと部品交換を伴う作業が発生する可能性もあります。
点検作業は、「3〜10万円/回程度」かかるのが一般的です。
そして、ほとんどの家庭用蓄電池は、「設置してから10〜15年」、もしくは「充放電回数が4,000回〜12,000回」程度で寿命を迎えるため、取り替えは避けられません。
そのため、導入を検討する際は、維持やメンテナンスにかかる費用もある程度想定しておきましょう。
「思ったより補助金が少なかった」
家庭用蓄電池の導入は、いくつもの補助金対象となるため、それを見込んで導入を検討している方も多いでしょう。
ところが、「思ったより補助金がもらえなかった」「補助金の申請期限とタイミングが合わずにもらえなかった」というケースもあります。
例えば、多くの方が注目している子育てエコホーム支援事業では、「長期優良住宅で100万円/戸」、「ZEH住宅で80万円/戸」が一律支給されます。
つまり、家庭用蓄電池の導入コスト以外に、長期優良住宅・ZEH住宅の基準を満たす仕様にするための費用がかかるということです。
都道府県や市区町村単位で蓄電池導入に対して補助金を支給しているところもありますが、ほとんどが数十万円程度なので、導入コストを100%補填できません。
「太陽光発電量が下がる」
家庭用蓄電池の中には、太陽光発電力を変換するパワーコンディショナーと、蓄電池用パワーコンディショナーが一体になった「ハイブリッドタイプ」もあります。
このタイプは太陽光パネルとの組み合わせによって、発電量が減ったり、負荷が増えて消耗が早まる可能性はゼロではありません。
ただし、この問題は既に太陽光パネルが設置されている家に後付けで蓄電池を導入した場合に起こりやすく、新築住宅にセットで取り付ける場合はあまり気にする必要はないでしょう。
「元が取れるか心配」
「月々数千円の電気代削減だけで、元を取るのに何年かかるのか不安」という方もたくさんいます。
蓄電池は、経年と共にその性能が低下していき、寿命はだいたい15年前後です。
導入費用を借りに150万円とすると、1年あたりの減価償却費用は10万円ということになります。
つまり、年間で10万円以上の電気代削減につながるかどうかがポイントです。
家庭用蓄電池を導入して損しないためには、日毎どのくらいの電気をどの時間帯に使っているのかを知ることから始めましょう。
また、直近2〜3年分の平均的な電気使用量も把握しておくことをおすすめします。
太陽光発電システムをセットで導入しようとしている方は、オール電化にすると、より光熱費削減のメリットを実感できるはずです。
家庭用蓄電池導入のチェックポイント|太陽光発電システムとの関係
家庭用蓄電池は、太陽光発電システムのない家でも設置できます。
ただし、費用対効果を考えると、あまり得策とは言えません。
家庭用蓄電池の導入を迷っている方は、以下の点をチェックしてみましょう。
- ・電気料金の高さに悩んでいる
- ・太陽光発電システムを導入したい(既に導入済み)
- ・オール電化にしたい
- ・電気自動車(EV)に乗り換えたい(既に乗っている)
- ・ZEH(ネットゼロ・エネルギー・ハウス)に興味がある
- ・災害時にも電気が欠かせない
- ・リモートワークなど、日中家にいて電気をたくさん使う
該当する項目が多ければ多いほど、蓄電池のメリットを得られる可能性が高いです。
逆に、あまり住宅へ求める条件と当てはまらない場合は、家庭用蓄電池の導入を慎重に検討した方が良いでしょう。
家庭用蓄電池の選び方と“損しない”ためのコツ
家庭用蓄電池を後悔しないためには、「適切な蓄電池を選ぶこと・住宅性能を高めること」が重要です。
ぜひ以下の点に気をつけてみてください。
電気使用量にあった容量を選ぶ
家庭用蓄電池と言っても、容量によって溜め込める電力量は異なります。
太陽光発電システムと合わせて設置する場合は、想定される発電量・日ごろ使っている電気量から、余剰電力を算出して、それを溜められる容量を選ぶのがおすすめです。
また、時間帯ごとの消費電力も分かると、太陽光発電できない場合でもどのくらい夜間電力を貯めれば日中の自家利用分が賄えるか分かります。
蓄電池は容量が大きいほど価格も高くなるため、無駄に大きくする必要はありません。
ご自身の生活に合った容量を選びましょう。
使い方に合ったタイプを選ぶ
蓄電池には、特定の経路にのみ放電できる「特定負荷型」と、家のどこにでも放電できる「全負荷型」があります。
特定負荷型は小型かつ安価な点がメリットです。
停電時に指定した経路にしか電気は送れない点は注意してください。
ただし、経路を限定することで、充電しなくても長期間放電できます。
一方、全負荷型は特定負荷型よりも本体サイズが大きく、価格も高めです。
その代わり、停電時には家全体に電気を送れます。
どちらがいいかは家庭によって異なりますので、どのような使い方をしたいかを十分検討して、適切なタイプを選んでください。
住宅の気密性・断熱性にこだわる
蓄電池や太陽光発電によっていくら電気代を削減できても、住宅の気密性・断熱性が低いと、空調効率が悪く、無駄な電力を使ってしまいます。
そのため、蓄電池・太陽光パネルなどの設備性能に加えて、住宅性能にもこだわりましょう。
最近は、太陽光発電による「創エネルギー」と、高気密高断熱仕様と高性能設備機器による「省エネルギー」の両方を実現できるZEH(ネットゼロ・エネルギー・ハウス)が人気です。
ZEHに関する補助金の多くは、蓄電池の導入が条件になっています。
“クレアカーサ”の住宅は、高い断熱性が標準仕様です。
ZEHの施工実績も豊富なので、蓄電池を備えた省エネ住宅に興味がある方は、まず私たちまでご相談ください。
茨城・千葉で省エネ住宅を建てたい方はクレアカーサへ相談を
「省エネ性の高い家」「災害に強い家」「快適に過ごせる家」を建てたい方は、まずクレアカーサにご相談ください。
クレアカーサの住宅は、標準仕様で断熱性(UA値)が「ZEH」相当、エリアでは函館クラスの断熱性能を有しています。※間取り等により誤差があります。
地震に対する備えとして、建物を支える「基礎・ベタ基礎配筋・ひのき土台・軸組み+パネル工法・格子剛床構造」にもこだわっています。
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