「ヒートショックは若い人にもリスクあり」起こりやすい場所・対策と健康に暮らせる家づくりのコツ
寒い冬になると心配になるのが、浴室などで起こる「ヒートショック」です。
高齢の方が発症するイメージの強いヒートショックですが、近年は若い方にもリスクがあるとされています。
そこで今回はヒートショックの原因やすぐにできる対策・家を新築する時の対策についてお話しします。
家づくりで活用できる補助金も紹介しますので、快適で健康的な生活を送れるマイホームを手に入れたい方はぜひ最後までご覧ください。
コラムのポイント
● ヒートショックの原因は、空間ごとの温度差にあります。
● ヒートショックは寒い冬だけではなく夏にも発症する恐れがあり、若い人でも注意が必要です。
● ヒートショックを未然に防ぐためには、家づくりの工夫が欠かせません。
● クレアカーサは千葉県でスタイリッシュ&高性能な高断熱住宅を数多く手がけています。
寒い冬に起こりやすい“ヒートショック”とは|症状・発症時の対処方法
ヒートショックとは暖かい部屋と寒い部屋の温度が10℃以上あると起こりやすい健康リスクで、急激な温度変化による血圧の上昇・下降によって心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性があります。
急に寒いところへ移動すると血管が急速に縮まって血圧が上がり、その後すぐに体が温まると今度は血管が拡張して血圧が急降下するのです。
急激な血圧の上下変動は、心臓や血管への大きな負担となる可能性があるので注意が必要です。
具体的な症状
ヒートショックの症状はその方の健康状態によって様々ですが、最悪の事態を招く可能性もあるので注意しましょう。
- ・急なめまいや立ちくらみ
- ・激しい頭痛や吐き気、嘔吐
- ・意識障害
- ・胸の痛み
- ・呼吸困難
- ・手足の脱力感
- ・突然の麻痺
少しでもこれらの症状を感じたら、速やかに医療機関へ相談することをおすすめします。
発症時の対処方法
ご家族などがヒートショックを発症したら、速やかに以下の対処方法を取りましょう。
- ・入浴中は浴槽の栓を外してお湯を抜き、入浴者を浴槽から出す(溺れないようにする)
- ・呼吸や心拍、脈拍を確認する
- ・救急車を呼ぶ
- ・呼吸や心拍がない場合は、救急車が到着するまで人工呼吸や胸骨圧迫を行う
※詳しい対処方法は消費者庁|冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!をご確認ください。
「ヒートショックは若い人や夏も要注意」な理由
ヒートショックが原因で亡くなる高齢者は交通事故のおよそ2倍とも言われています。
高齢の方で血管が老化していると、血管が破れて脳出血を引き起こしたり血管が詰まって心筋梗塞になったりするリスクが高まるため、これまでヒートショックは高齢者の症状とされてきました。
しかし、近年はまだ若い方でヒートショックを発症する方が増えています。
- ・痩せ型の若者が増えており、痩せていると筋肉量が少なく血流が悪くなりやすい
- ・飲酒・喫煙や不規則な食生活によって動脈硬化が進んでいる若者が増えている
また、ヒートショックは浴室や洗面脱衣室の室温が下がる冬に限らず、夏にも発症する可能性も決して低くありません。
以下のようなシチュエーションでは体温が急激に変動するため、ヒートショックに注意しましょう。
- 「日差しの強い外から帰宅して冷房が効き過ぎている部屋に入った」
- 「冷房で寒いリビングから冷房のかかっていない暑い部屋に移動した」
- 「熱いお風呂に入り、その後エアコンの効いている涼しい室内に移動した」
ヒートショックは年齢に関係なく発症するリスクがあるため、住まいへの対策が欠かせません。
ヒートショックの起こりやすい場所に適切な対策を取りましょう。
ヒートショックが起こりやすい場所|浴室・廊下・トイレ・洗面
ヒートショックは、リビングなどの居室と温度差が開きやすい「浴室・廊下・トイレ・洗面脱衣室」などで起こりやすいので注意しましょう。
【浴室】
寒い洗面脱衣室との間に温度差が開きやすい
【廊下】
部屋と廊下がドアや壁で区切られていると、寒暖差ができやすい
【トイレ・洗面脱衣室】
窓があると外気温の影響を受けやすく、力を入れる排便時や体温が急激に変動する脱衣時は特にリスクが高い
事前に対策をとることでこれらのリスクは軽減できます。
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“すぐにできる”ヒートショック対策
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ヒートショックの発症リスクを抑えるためには、まず以下の点に注意しましょう。
- ・室温の下がりやすい場所に暖房器具を置いて事前に温めておく
- ・お風呂のお湯を熱くしすぎない(41℃以下)
- ・長湯しない(10分程度まで)
- ・浴槽から急に立ち上がらない
- ・食後すぐ・飲酒後・薬服用後の入浴を避ける
これらの方法は主に賃貸住宅などでリノベーションできない場合におすすめですが、根本的な解決にはならず住まいの快適性は改善されません。
“住宅の新築でできる”ヒートショック対策
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ヒートショックの発症リスクを抑えてさらに快適に暮らせる住まいにするためには、仕様や間取りを根本的に見直す必要があります。
窓を高断熱仕様にする
浴室や洗面脱衣室、トイレ、廊下などに窓を設ける場合は、高断熱仕様にしましょう。
窓は外壁などよりも熱の出入りが多く、室温の変動に大きく影響を及ぼします。
クレアカーサの住宅は断熱性の高い「樹脂窓」が標準仕様です。
冬の窓辺でも快適に過ごせるだけではなく、結露を抑えてカビやダニの発生を予防します。
壁・床・天井を高断熱仕様にする
家の断熱性に影響するのは窓だけではありません。
外壁・床下・天井(屋根)も高断熱仕様とし、室内空間を包み込むことでエアコンなどの空調機器に頼らずに室温ムラを防げます。
また、空調効率が上がって省エネで光熱費削減につながる点も大きなメリットです。
▶︎おすすめコラム:「高気密高断熱住宅は“必要ない”」と言われる理由と新築住宅で知っておきたい対策
「高断熱住宅+太陽光発電」のZEH(ゼロエネルギー住宅)がおすすめです。
台風や地震などで停電した際も、少ない電力で快適な生活を継続できます。
クレアカーサはZEHの設計施工実績が豊富で、太陽光発電システムを実質0円で導入できる「建て得プラン」を提案しておりますので、省エネ住宅に興味のある方はお気軽にご相談ください。
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換気方法にこだわる
2003年に建築基準法が改正されてからはすべての住宅へ24時間換気が義務付けられています。(参考:建築基準法第28条第3項・第99条第15号)
ただしその換気方法までは決められていません。
換気方式には第一種・第二種・第三種があり、それぞれ特徴が異なります。
第一種換気 | 給気:ファンによる「機械給気」 排気:ファンによる「機械排気」 |
第二種換気 | 給気:ファンによる「機械給気」 排気:排気口による「自然排気」 |
第三種換気 | 給気:給気口による「自然給気」 排気:ファンによる「機械排気」 |
住宅で最も一般的なのは、壁などに取り付けた給気口とキッチンフードや浴室換気扇などを組み合わせた第三種換気です。
しかし、第三種換気は給気量と排気量のバランスが悪いとうまく換気できなかったり、寒い(暑い)外気がそのまま入るため空調効率を下げたりするデメリットがあります。
換気ファンを回す時間の長い浴室やトイレは、居室よりも室温が下がりやすい傾向は否めません。
換気による室温の低下を防ぐために「第一種換気方式」を採用しましょう。
計画的に換気できるため、室内の空気汚染を防止できます。
クレアカーサでは冷暖房で調節された室温を再利用しながら換気できる省エネ設備「熱交換型24時間換気システム」をオプションでお選びいただけます。
▶︎おすすめコラム:【これって本当に必要なの?】24時間換気システムの基礎知識
空調の風が直接体に当たらないようにする
エアコンやストーブの風を直接受けると、体だけが温まり室温との差がより広がりヒートショック発症のリスクが高まります。
また、冷暖房の風は体を気付かぬうちに乾燥させて脱水症状を招く可能性もあるため注意が必要です。
空調機器の位置は家具の配置も踏まえて検討しましょう。
クレアカーサでは温風や冷風が直接体に当たりにくい快適性とエコを両立させた「床下冷暖房システム・エアボレー」を提案しております。
寒い冬には室内空間をくまなく暖められるだけではなく、床表面がほんのり暖かくなり、基礎内部の断熱材によって蓄熱効果も得られます。
熱交換型換気システムを連動させた「全館空調換気システム」のオプションもお選びいただけますので、ぜひご検討ください。
廊下・間仕切壁の少ない開放的な間取りにする
家の断熱性能や換気・空調設備による工夫だけではなく、間取りでもヒートショックのリスクを抑えられます。
廊下や間仕切り壁の少ない開放的な間取りは、冷暖房をつける季節も室温ムラが出来にくいため、移動時の体温変動を防止できるのです。
ドアを引き戸にすると開けたままでも邪魔にならず、開きドアよりも気密性が低いため閉めている状態でも空調効果が廊下などに広がるのでプランに取り入れてみましょう。
「高断熱住宅+開放的な回遊動線」の住宅は、快適な生活を送れるだけではなく、子育てや家事の負担を軽減できバリアフリー性を高められる点もメリットです。
クレアカーサは性能と快適性、そしてデザイン性の全てを兼ね備えた家づくりを提案しております。
健康住宅の新築・リフォームで利用できる補助金と減税制度
▶︎高断熱なZEH施工事例:大好きなインテリアに囲まれた アメリカンスタイルの平屋
ヒートショックの発症リスクが低く快適に暮らせる健康住宅を建てたい方は、ぜひ補助金制度や減税制度を活用してください。
2025年には住宅の省エネ化を目的とした「子育てグリーン住宅支援事業」が実施され、注文住宅の新築で最高160万円を受け取れます。
※子育てグリーン住宅支援事業の詳細は2025年・子育てグリーン住宅支援事業|条件と確実にもらうためのポイント、よくある質問を解説をご覧ください。
補助金と併せてチェックしていただきたいのが、住宅ローン減税と所得税の特別控除、固定資産税の減税特例です。
制度の種類 | 概要 |
---|---|
住宅ローン減税 |
住宅ローンを利用して省エネ性の高い住宅を新築(中古住宅購入)すると、一定期間毎年末のローン残高の0.7%相当額を所得税から控除 |
住宅ローン減税(増改築) | 10年以上の住宅ローンを利用してリフォームすると、10年間毎年末のローン残高の0.7%相当額を所得税から控除 |
リフォームにおける所得税控除 | 省エネリフォームを含む改修工事をすると、標準工事費相当額の10%を所得税より控除 |
リフォームにおける固定資産税軽減 |
2014年以前に新築された住宅は、省エネリフォームを含む改修工事をすると、翌年分の固定資産税の1/3を減額 |
※それぞれの制度で要件が異なりますので、詳細は管轄の税務署へお問い合わせください。
(参考:国土交通省|住宅ローン減税、国土交通省|住宅リフォームにおける減税制度について)
これらの制度を活用してお得に高性能住宅を建てましょう。
監修者情報 クレアカーサコラム編集部
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家づくりに役立つ情報をお届けしています。
・免許情報
・資格情報
・執筆出演
・受賞歴など
住宅業界の専門性について
免許登録
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会
建設業許可番号 国土交通大臣 許可(特5)第29052号 国土交通省
宅建業免許証番号 国土交通大臣(15)第810号 国土交通省
資格情報
- 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、
宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士他
受賞歴
- ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞
・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞
・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会