注文住宅に防音室を取り入れるなら|用途別のポイントや失敗しないための注意点も解説
楽器やカラオケ、映画を思いきり楽しみたい場合や、リモートワークの普及などにより、防音室の需要が高まっています。
注文住宅なら、防音性能だけでなく間取りやデザインまで理想に合わせた設計が可能です。
この記事では、防音室の種類やメリット、失敗を防ぐポイントまでわかりやすく解説します。
● 防音室を設置する場合の用途別のポイントを、わかりやすく解説いたします。
● 防音室のメリットやデメリットを含めて、失敗しないための注意点も紹介するので、家づくりの参考にしてください。
● クレアカーサは、茨城県で「敷地の条件・予算の条件・家族の条件」全てを実現できる快適&省エネな、防音室のある家づくりを行っています。
施工事例
目次
防音室の種類と基本知識
防音室とは、楽器の演奏やカラオケ、音楽・映画鑑賞などの音を外に漏らさず、外からの騒音も入りにくくするために設計された専用の空間です。
防音室は、大きく分けて「組立式」と「フルオーダー式」の2種類があり、使用目的やこだわりの度合いに応じて選べます。
組立式は、比較的簡単に導入できる防音室で、畳1畳ほどの大きさから希望に沿ったサイズで設置可能です。
フルオーダー式は建物の構造に合わせて設計するタイプで、防音性能や広さ、デザインまで自由に決められます。
さらに、フルオーダー式の防音室は、趣味を楽しむ空間から、本格的な音楽スタジオまで使用目的に合わせた空間づくりにおいて、選択の幅が広いのも特徴です。
防音室はリフォームでも設置できますが、注文住宅だからこそ間取りや防音性能にこだわりを詰め込めるため、新築時に取り入れるのが理想的と言えます。
防音室に欠かせない3つの要素と用途別ポイント
防音室をつくるには、吸音・遮音・防振の3つの要素が欠かせません。
それぞれの音に対する役割や違いを理解することで、目的に合った空間づくりがしやすくなります。
ここでは、基本の3要素とあわせて、用途別に重視すべきポイントを紹介します。
防音に欠かせない3つの要素|吸音・遮音・防振
防音室の性能を左右するのが、「吸音」「遮音」「防振」の3つの要素です。
吸音とは、スポンジのように細かい穴があいた素材(グラスウールやウレタンフォームなど)を壁や天井に使うことで、音のエネルギーを吸収して室内の反響を抑える方法を指します。
遮音は、石膏ボードや遮音シートなど高密度で重い素材を使って音が外へ漏れないようにするための対策です。
コンサートホールや音楽室のような重く分厚い扉や二重窓、すき間をふさぐパッキンなど、構造的な工夫も遮音に有効と言えます。
防振は、床や壁を通じて振動が伝わらないようにする仕組みです。
ドラムやベースのような重低音は耳に届く「音」より「振動」が響きやすい性質があるため、ゴム製の防振材や浮き床構造などを用いて、建物への影響を抑える必要があります。
カラオケには吸音と遮音を意識した設計を
自宅で思いきりカラオケを楽しむなら、吸音と遮音のバランスを意識した防音室づくりが大切です。
室内の音が響きすぎると、声とカラオケ音源が混ざり、歌いにくくなるため、吸音材を使って反響を抑える必要があります。
さらに、大きな声や高音は外に漏れやすいため、壁やドアの遮音性も重要です。
実際のカラオケボックスを参考にして、室内は響きをおさえ、外には音が漏れにくい構造を注文住宅の計画に盛り込んでください。
ドラムやベースなら防振と遮音の対策が必須
ドラムやベースのように、音とともに振動を発する楽器には、防振と遮音、両方の対策が不可欠です。
とくに重低音は、音だけでなく床や壁を通じて振動としても伝わりやすく、騒音トラブルにつながる要因のひとつと言えます。
対策方法として、床に振動を吸収するクッションの役割を果たす防振材の設置が効果的です。
あわせて壁や扉の遮音性を高めることで、演奏中の音漏れを最小限に抑えられます。
ピアノや管楽器は遮音と吸音のバランス
ピアノや管楽器は、音の響きを楽しむ楽器であり、心地良い「音の余韻」が感じられる遮音と吸音のバランスづくりが大切です。
遮音では、音が外に漏れないよう、音楽室やコンサートホールにあるような分厚くて重い扉や、石膏ボードを使った壁などで対策します。
吸音は、響きを残しながら反響をおさえるために、天井や壁に吸音パネルを設置するほか、演奏位置の正面に音がぶつからないよう配置の工夫も効果的です。
ギターや弦楽器は吸音性の高い空間が理想
ギターやバイオリンなどの弦楽器の演奏には、繊細なニュアンスや余韻まで丁寧に届けるため、音が響きすぎず、吸音性の高い空間が理想です。
室内で反響が強すぎると、音がこもって繊細な表現が届きにくくなる原因になります。
さらに、弦を弾いた一音一音が響くようにするため、天井や壁に吸音パネルを設置する方法が効果的です。
また、カーテンやカーペットで音の反射をやわらげると、演奏の輪郭がよりはっきりします。
注文住宅で防音室を設置するメリット
防音室は音楽やカラオケなどの趣味を存分に楽しむために選ばれることが多いですが、静かな環境で作業ができるため、日常生活や仕事にも活用する人が増えています。
ライフスタイルに合わせた理想の防音室が叶うのも、注文住宅ならではのメリットです。
ここでは、防音室を暮らしに取り入れるメリットを紹介します。
気兼ねなく音楽やゲーム・映画鑑賞が楽しめる
防音室があると、時間帯や音量を気にせず、音楽やゲーム・映画鑑賞などが楽しめる点が大きなメリットです。
スピーカーの迫力あるサウンドや、ゲームの臨場感あふれる音も、周囲を気にせず満喫できます。
さらに、好きなアーティストの映像コンテンツや音源を流せば、まるでライブ会場にいるような臨場感も味わえます。
深夜の映画鑑賞や、休日に音楽を大音量で楽しんでも、ご家族や近隣への配慮がいらないのは防音室の嬉しい特徴です。
仕事や作業に集中できる
防音室は、音楽や趣味だけでなく、仕事や作業に集中したいときにも活躍します。
外からの騒音が入りにくく、自分の声やタイピング音なども漏れにくいことから、ご家族に気兼ねなく、在宅ワークやオンライン会議も安心です。
また、静かな空間は、勉強や読書はもちろん、ハンドメイドやプラモデル制作などの細かい作業にも集中しやすくなります。
周囲の音に気を取られず、作業効率の向上や満足感にもつながるのも、注文住宅で防音室を取り入れるメリットです。
楽器を良い状態で保管できる
防音室は、楽器にとって最適な空調を保ちやすい構造になっているため、良い状態で保管できる点も大きなメリットです。
楽器は湿度や温度の変化に敏感で、音の狂いやパーツの劣化を引き起こす原因になりかねません。
また、湿度が高い空間は、楽器にカビが発生しやすくなります。
さらに、楽器の金属部分は温度変化によりさびる可能性が高くなり、経年劣化が進む原因になります。
楽器にとって最適な保管環境を保てることも、防音室の大きな役割のひとつです。
地下に設置すると広さの確保も可能
建築計画の段階で防音室を地下に設けると、音の響きや周囲への影響を気にせず、広めの空間を確保しやすくなります。
地上階に比べて外部からの音も入りにくく、広さの確保もしやすいため、プロ仕様の音楽スタジオやレコーディングスタジオのような本格的な空間の実現が可能です。
実際に、自宅スタジオを地下に構えるプロミュージシャンも多く、音にこだわる人には現実的かつ効果的な方法と言えます。
また、ホームシアターや大画面での映像鑑賞を楽しみたい人にとっても、音漏れを気にせず没入感を味わえる絶好の空間です。
このようなこだわりの設計を反映できる点も、自由度の高い注文住宅ならではのメリットです。
注文住宅だからこそ可能な防音室設計の強み
防音室の性能を最大限に活かすには、家全体とのバランスや配置も重要です。
注文住宅なら、間取りや構造の設計段階から環境を考慮できるため、防音性だけでなく快適性やデザイン性も両立しやすくなります。
また、注文住宅ならではの強みや柔軟性についても以下で紹介します。
用途にあわせた間取り・配置ができる
注文住宅の大きな強みは、防音室をその用途にあわせて、間取りや配置を自由に設計できる点と言えます。
たとえば、音が外に漏れにくいよう部屋の奥まった場所に設置し、音の響きが比較的少ない1階や地下を選ぶなど、きめ細かな工夫が可能です。
さらに、防音室とリビングなどの居室との間にクローゼットや納戸、トイレといった空間を挟むことで、音が直接伝わるのを和らげ、防音性能を一段と高めることもできます。
音の種類やライフスタイルにあわせて最適な配置が選べるのは、自由度の高い注文住宅ならではの魅力です。
音の影響を考慮したレイアウトが可能
音の伝わり方を考慮したレイアウトができるのも、注文住宅の大きな強みです。
防音室を寝室やリビングから距離のある場所に配置すると、ご家族がくつろぐ空間に音が届きにくくなります。
また、ご家族の生活リズムにあわせて、あえて動線から外れた場所に防音室を設けるのも効果的です。
ただし、吹き抜けに隣接した位置に設置すると、建物全体に音が響きやすくなるため、注意が必要です。
このような用途やライフスタイルにあわせて設計できる注文住宅は、防音室づくりに適しています。
内装や外観にあわせたデザイン設計が可能
防音室は、注文住宅なら内装や外観にあわせたデザイン設計が可能です。
防音室と聞くと、無機質で音楽室のような殺風景なイメージがあるかも知れませんが、注文住宅であれば、壁や床の素材や照明まで細かく選べるため、住まいと調和した空間が作れます。
さらに、趣味を楽しむ部屋として高級感を持たせる、ナチュラルなインテリアに仕上げるなど、自分らしい世界観を表現できるのも魅力です。
リフォームでも防音室の設置は可能ですが、家全体との調和や細かなデザイン性まで追求できるのは、注文住宅ならではの強みと言えます。
法規制や構造上の制限に柔軟に対応できる
防音室の設置には、防音性能だけでなく、建築基準法や騒音・振動への対策など、構造上のルールにも配慮が必要です。
たとえば、防音性を高めるために壁や床を厚くすると、建ぺい率や容積率などの法律で定められた建築制限に影響することがあります。
また、地下に防音室を設置する場合は、防水や換気、耐震性といった構造面の対応も必要です。
さらに、茨城県内でも地域や時間帯によっては、一定以上の騒音を出す設備の使用が制限される場合があります。
注文住宅であれば、こうした地域ごとのルールをふまえた設計や配慮も柔軟に取り入れやすくなります。
参照:茨城県「深夜騒音規制」
注文住宅で防音室をつくるデメリット
防音室は魅力的な空間ですが、注文住宅で取り入れる際にはデメリットもあります。
費用や広さ、将来の使い方まで細かく検討しておかないと、使い勝手が悪いだけでなく、騒音トラブルに発展しかねません。
ここでは、快適な防音室を設置するため、事前に知っておきたい3つの注意点について解説します。
費用がかかる
注文住宅で防音室をつくる場合、一般的な部屋よりも費用がかかる点がデメリットです。
ユニット式防音室は50万~200万円、フルオーダー型の防音室では、およそ100万〜500万円程度の追加費用の発生が相場とされており、用途や防音性能のレベルによって、金額は大きく変動します。
とくにドラムやベースなどの重低音の出る楽器は遮音・吸音に加え防振対策が必要になり、ほかの楽器に比べて費用が高くなる傾向があります。
また、防音室を地下に設置する場合は、防水や換気、耐震対策などが加わるため、総額がさらに上がるケースも珍しくありません。
さらに、防音性能を必要以上に下げてしまうと、音漏れが原因で近隣トラブルに発展する恐れがあるため、必要な対策にはしっかりと費用をかけることが大切です。
参照:昭和音響公式サイト
広さを確保する必要がある
十分な広さを確保しなければならない点も、防音室を設けるうえでのデメリットです。
防音室は、防音性を高めるために壁や床に吸音材や防振構造を取り入れる必要があり、間取り図上は6畳と表記されていたとしても、実際に使えるスペースは想像より狭くなるケースが考えられます。
そのため、防音室に隣接した部屋が手狭になったり、収納や動線に影響が出る可能性もあるため、設計段階で全体のバランスを考えることが大切です。
使わなくなる可能性がある
将来的に使わなくなる可能性があることも、防音室を設けるうえでのデメリットです。
とくに、お子さまのピアノや楽器の練習などを想定して防音室をつくった場合、成長や独立とともに使われなくなるケースもあります。
使われなくなった防音室は、そのまま物置として使われたり、ほかの部屋として活用しにくいまま放置されるケースも少なくありません。
高額な費用をかけた空間が活用されなくなるのを防ぐためにも、将来を見据えた多目的な設計にしておくと安心です。
注文住宅の防音室づくりで失敗しないためのポイント
防音室は、計画段階での見通しが甘いと「思っていたのと違った」と感じるような失敗につながることもあります。
失敗を防ぐためには、用途を明確にしたうえで、防音室の実績が豊富な施工業者選びも重要なポイントです。
ここでは、注文住宅で防音室をつくる際に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
防音室の用途を明確にする
防音室の用途を明確にせずにつくってしまうと、防音性能や広さが足りず使い勝手が悪くなり、失敗につながる場合があります。
カラオケのように声を出す用途なら、音が外に漏れにくいよう遮音と吸音のバランスが重要です。
ドラムやベースのように振動を伴う楽器では、遮音や吸音に加えて防振対策も欠かせません。
また、映画やゲームを楽しむ空間にしたい場合には、音の響きを調整する吸音材の選び方にも工夫が必要なため、求められる施工内容は用途によって大きく異なります。
何に使うのかを事前に明確にしておくと、満足度の高い防音室につながります。
実績のある施工業者に依頼する
防音室の施工実績が豊富な施工業者・ハウスメーカーに依頼することが、失敗を防ぐための重要なポイントです。
防音室の施工は、ただ防音素材を取り入れるだけでは不十分で、音の伝わり方や建物構造をふまえた設計・施工の知識と経験が欠かせません。
そのため、実績のない施工業者に依頼してしまうと、防音性能が足りず追加工事が発生し、予定以上に時間や費用がかかってしまうケースもあります。
満足のいく防音室を実現するためには、施工実績や目的に応じた提案力があるかどうかを確認し、専門性の高い業者選びが大切です。
将来性を見据える
防音室は一度つくると簡単に取り壊しや移動が難しいため、将来の使い方も見据えておくことが失敗しないポイントです。
お子さまの習い事のために防音室を設置した場合は、成長や独立をきっかけに使用されなくなる可能性もあります。
また、趣味の変化によって防音室の用途そのものが変わるケースも、考慮する必要があります。
そのまま物置になったり使い道に困ったりしないように、書斎や趣味部屋として転用できる間取りや、後からリフォームしやすい設計を意識しておくと安心です。
温度・湿度などの室内環境を整える
防音室は、温度や湿度などの室内環境を適切に保つのも、失敗を防ぐための大切なポイントです。
気密性が高く熱や湿気がこもりやすい特徴があるため、対策が不十分だと楽器にカビやさび、調律のズレといったトラブルが起きる恐れがあります。
とくに楽器を保管する場合は、コンディション維持のためにも防音室内の環境管理が欠かせません。
エアコンや除湿機、換気設備などを活用し、音だけでなく空間そのものを整えておくことが、防音室を長く快適に使うためのカギとなります。
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防音室のある注文住宅を建てるなら、経験と実績が豊富な施工業者・ハウスメーカー選びが重要です。
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