家を建てるなら平屋・二階建てどっち?メリット・デメリットを比較|費用・間取り・税金・耐震性や事例紹介
初めてマイホームの新築を検討する方の中には「平屋と二階建てどちらにすべきか」迷っている方も多いでしょう。
そこで今回は「平屋建て・二階建て住宅」について、土地・建築費用・税金・防犯性・防災耐震性・省エネ性・バリアフリー性・住み心地・メンテナンス性の違いを紹介します。
“クレアカーサ”の施工事例写真を交えて解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
コラムのポイント
● 平屋建てと二階建てでは様々な点において違いがあるため、それぞれの特徴を踏まえてご予算やライフスタイルに合う間取りを選ぶことが重要です。
● 平屋建てと二階建てのどちらを建てるか迷っている方は、両方の施工事例が豊富な会社へ相談しましょう。
● クレアカーサは千葉県でスタイリッシュ&高性能なリゾートスタイルの家を数多く手がけています。
「土地」の違い
【施工事例:カリフォルニアの風を感じる アメリカンスタイルの平屋】
日本国内では土地の面積に対して家を建てられる面積の割合(=建蔽率)が決まっています。
建蔽率(けんぺいりつ)=建築面積/敷地面積×100%
建蔽率は都市計画法によって地域ごとに上限が定められており、住宅地の場合は40〜60%が大半です。
ここで延べ床面積30坪(約99㎡)の住宅を建てる場合に必要になる最低限の土地面積を紹介します。
【建蔽率】 | 【平屋建て】 | 【総二階建て】 |
40% |
約248㎡ (75坪) |
約124㎡ (37.5坪) |
50% |
198㎡ (60坪) |
99㎡ (30坪) |
60% |
165㎡ (50坪) |
82.5㎡ (25坪) |
平屋建ては必要な居住面積を確保するために広い土地が必要です。
そのため、土地購入にかかるコストが高くなるので土地選びの際は注意しましょう。
また平屋は住宅密集地で背の高い建物に囲まれると採光や通風が悪くなる可能性があるため、土地価格が比較的リーズナブルで周囲から距離を取れる郊外がおすすめです。
▶︎関連コラム:注文住宅の土地選び・土地探しのポイント8つと注意点
「建築費用」の違い
【施工事例:シンプルだから美しい 白い塗り壁のサーファーズハウス】
一般的に平屋建ては二階建てよりもコストがかかる基礎工事・屋根工事の面積が広くなるため、坪単価は二階建てよりも高くなる傾向があります。
ただし建築費用は「間取り・内外装の仕様・断熱性などの住宅性能・キッチンや浴室などの住宅設備」によって大きく変わるため、必ずしも平屋の方が高くなるとは限りません。
ちなみに2024年9月の全国における木造住宅(持ち家)の平均建築費用は「25万円/㎡」です。(参考:建築着工統計調査 住宅着工統計|(新築住宅)利用関係別、構造別、建て方別(住宅の工事費)/戸数、床面積、工事費予定額、1戸あたり工事費予定額、1平米あたり工事費予定額)
【延べ床面積】 | 【建築費用目安】 |
20坪 (66㎡) |
1,650万円 |
30坪 (99㎡) |
2,475万円 |
40坪 (132㎡) |
3,300万円 |
▶︎関連コラム:注文住宅の予算目安は?費用相場と年収・頭金・住宅ローンの目安
「固定資産税・都市計画税」の違い
家を新築・購入した翌年の4〜6月頃には、自治体から固定資産税・都市計画税の納付書が送られます。
土地にかかる分と家屋にかかる分では算定方法に違いがあるので、事前に目安を知っておくことが重要です。
【土地にかかる税金】
固定資産税=固定資産評価額(課税標準額) ×4%(標準税率)
都市計画税=固定資産税評価額(課税標準額)×0.3%(制限税率)
※固定資産評価額は、地価公示価格の70%ほどが目安
※都市計画税率は自治体によって異なるが、0.3%が上限
【家屋にかかる税金】
固定資産税=課税台帳に登録されている価格 ×4%(標準税率)
都市計画税=課税台帳に登録されている価格×0.3%(制限税率)
※課税台帳に登録されている価格は、固定資産評価額に経年減価補正率をかけたものが目安
ここで重要なポイントは「家屋は築年数によって評価額が下がる」という点です。
家屋の固定資産評価額は原則として「再建築費評点基準表」に基づいて標準的な家屋からの違いをリストアップして算定されます。(参考:千葉地方法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表)
また経年とともにその家の価値は下がるとして、経年減価補正率表が適用されます。(参考:法務局|経年減価補正率表)
対して土地は経年とともに劣化するものではないとして、購入から年数が経っても固定資産評価額は変わりません。
広い土地を必要とする平屋建ての方が総税額は高くなるのが一般的です。
「防犯性」の違い
これまでは平屋の方が室内に侵入できる場所が多いため防犯面は二階建てよりも劣ると考えられてきました。
しかし「2階だから侵入されない」と窓を開けたままで外出する人も多く、上階の窓から侵入されるケースもあります。(参考:警察庁|住まいる防犯110番)
また近年は窓や玄関ドアの防犯性能が高まったことから、施錠忘れがない限り平屋建てと二階建てで防犯面における違いはあまりありません。
大切なのは開口部の仕様や間取り、外構計画を工夫するという点です。
▶︎関連コラム:【防犯性の高い家】空き巣・侵入犯に狙われやすい家の特徴と窓やドア・間取り・設備・外構の対策方法
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「耐震性・防災性」の違い
【施工事例:片流れの美しいフォルム シンプルスタイルの平屋】
一般的には平屋建ての方が上階の荷重がかからないため二階建てと同じ仕様であれば耐震性は高いとされています。
平屋建ての方が外への避難経路・外からの救出経路が多い点もポイントです。
ただし床上浸水の被害を受けた場合、2階建ての方が上階で最低限の生活を維持できる点は強みと言えます。
近年は耐震・免震・制振技術が進歩しており階数による地震や台風への抵抗力はあまり違いがなく、構造計画や間取り、建物形状を地震などに強い仕様にすることが重要とされています。
▶︎関連コラム:地震に強い家とは?特徴と耐震性の高い家づくりの注意点5つ
「省エネ性」の違い
床下冷暖房システムや全館空調を使用する場合は、平屋建ての方が二階建てよりもトータルの室内容積が少ないため空調負荷が低い場合が大半です。
ただし平屋建ての方が外皮面積は広くなるケースが多く、外気温の影響を受けやすいので高断熱住宅にすることが重要になります。
太陽光発電を設置する場合、二階建ての方が発電効率は良いとされていますが、実はそうとも限りません。
周囲に採光を妨げる建築物や樹木がない場合は、平屋建てでも二階建て同様の発電量を見込めるため、建築会社と土地の特性を踏まえて導入を検討しましょう。
▶︎関連コラム:新築住宅へ太陽光発電システムを導入すべき?メリット・デメリットをわかりやすく解説
クレアカーサでは太陽光発電システムを“実質0円”で導入できる「建て得」プランを提案しており、ZEH(ゼロエネルギー住宅)の施工事例が豊富です。
太陽光発電を導入しようか迷っている方はどうぞお気軽にお問い合わせください。
「バリアフリー性」の違い
【施工事例:リビングにフリースペースのある シック&モダンスタイルの平屋】
平屋建ての家は、階段を使わず全ての部屋へアクセスできるため、二階建てよりもバリアフリー性が高いです。
ただし、2階建ての方が同じ階での移動距離は短いというメリットがあります。
▶︎関連コラム:【新築】バリアフリー住宅の家づくりのポイント|居住スペースの作り方と床材選びの注意点
「住み心地・家事効率」の違い
【施工事例:白と黒のコントラストが美しい 吹き抜けのある家】
平屋建ては家の中心部に採光・通風を取り込むための工夫が必要になります。
高窓(ハイサイドライト)を設置したり中庭をつくる間取りがおすすめです。
対して、二階建ては上階が道路を行き交う人と視線が合わない点や階ごとの面積がコンパクトなので全室に窓を設けやすい点がメリットです。
ちなみに生活動線や家事動線の長さは階数ではなく間取りによって変わるため、どちらがいい・悪いとは言い切れません。
動線がコンパクトな家にしたい方は、平屋建て・二階建てどちらの場合もできるだけ廊下をつくらず回遊性のあるプランにしましょう。
▶︎関連コラム:子育て・家事ラク・掃除しやすい家|ママ&パパに人気の間取り3つのポイント
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「メンテナンス」の違い
【施工事例:ドライガーデンが彩る 海辺のサーファーズハウス】
平屋建ての方が屋根面積は広くなるため、屋根のメンテナンス費用は高くなります。
一方、外壁の面積は階数によって変わるのではなく、間取りや建物形状によって差が出るのが原則です。
ただし二階建ての屋根・外壁をメンテナンスする場合は、工事費に加えて足場掛け払い費用が高くなるので注意しましょう。
重要な点は屋根も外壁も高耐久な材料を選び少しでもメンテナンスサイクルを伸ばすことです。
▶︎関連コラム:「ガルバリウム鋼板を屋根・外壁に」後悔しないために知っておくべきメリット・デメリットとおしゃれな施工事例
クレアカーサの施工事例ページでは外観・内観の写真や建築面積・延べ床面積、間取り図をご覧いただけます。
平屋建てと二階建てそれぞれの事例も豊富ですので、ぜひ参考にしてください。
平屋・二階建てそれぞれに向いている方
【施工事例:毎日の暮らしにアクティブを 庭にブランコのある家】
平屋建てと二階建てにはそれぞれメリットとデメリットがあり、ご家庭によって適したスタイルは異なります。
平屋建てと二階建てのどちらにするべきか迷っている方は、それぞれの特徴をじっくり比較しましょう。
- ・ゆったりとした敷地で田舎暮らしを満喫したい
- ・将来に向けてバリアフリーにしたい
- ・屋外とのつながりの深い生活を送りたい
- ・生活動線をシンプルかつ短くしたい
- ・家族とのコミュニケーションを楽しみたい
- ・コンパクトな敷地でも便利な都心での暮らしを求める
- ・在宅時間が短く、家での時間はあまり重視しない
- ・部屋数を多くしたい
- ・建設コストや固定資産税額を抑えたい
- ・プライベートの空間がほしい
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平屋・二階建てのハイブリッド「1.5階建て」もおすすめ
【施工事例:スキップフロアに書斎のある ナチュラルリビングの平屋】
「平屋に憧れているが必要な部屋数を確保できない」「1階だけではなく+αの空間が欲しい」という方に人気なスタイルが“1.5階建て”です。
1.5階建てとは主な生活空間は1階にありロフトや小屋裏スペースなどの空間が上階にプラスされている家を指し、準平屋や半平屋と呼ばれることもあります。
ちなみにロフトや小屋裏を「天井高4m未満かつ1階面積の1/2未満」にすることで、建築基準法上は階として見なされません。(参考:建築基準法第92条、建築基準法施行令2条)
最近はロフトや小屋裏だけではなく、スキップフロアを取り入れる間取りも人気です。
1.5階の家は平屋建てよりも床面積を増やせて、2階建てよりもコストや税額を抑えられる可能性があります。
▶︎関連コラム:平屋×ロフトの間取りの魅力とは?メリット・デメリットや実例をご紹介
▶︎関連コラム:スキップフロアのある間取り事例|ロフトとの違いや注意点とは
▶︎関連コラム:「平屋に中二階をつくる」メリット・デメリットと後悔しないための間取りポイントを解説
まとめ
人気の平屋建てとスタンダードな二階建て住宅のどちらにもメリットとデメリットがあり、様々な点において違いがあります。
マイホームを後悔しないためにも、それぞれの特徴を理解してご予算やライフスタイルに合う間取りを選びましょう。
平屋建てと二階建てのどちらを建てるか迷っている方は、両方の施工事例が豊富な会社へご相談ください。
私たちクレアカーサ(株式会社日立プロパティアンドサービス)は、千葉県茂原市にある建築会社です。
「敷地の条件・予算の条件・家族の条件」を踏まえた家づくりをサポートしております。
デザイン性と省エネ性の両方を備えた「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の普及へも積極的に取り組んでいますので、「デザインも性能もコストも諦めたくない」という方はぜひお気軽にご相談ください。
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監修者情報 クレアカーサコラム編集部
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家づくりに役立つ情報をお届けしています。
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・受賞歴など
住宅業界の専門性について
免許登録
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会
建設業許可番号 国土交通大臣 許可(特5)第29052号 国土交通省
宅建業免許証番号 国土交通大臣(15)第810号 国土交通省
資格情報
- 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、
宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士他
受賞歴
- ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞
・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞
・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会