「リビング階段」を後悔する理由と対策|メリット・デメリットと成功事例で見る間取りポイント
最近増えているのが「リビング階段」のある家です。
開放的な吹き抜けと合わせる事例が多く、モデルハウスなどにも多く採用されています。
ただし、リビング階段のある家を建てる前に知っておいていただきたい注意点があります。
今回は「リビング階段のある家」のメリットからデメリット・よくある後悔理由とその対策まで詳しく解説します。
クレアカーサが手がけたオシャレな施工事例も紹介しますので、マイホームの新築を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。
コラムのポイント
● リビング階段にはデザイン面や生活面においてメリットがある反面、事前に知っておくべきデメリットや注意点があります。
● リビング階段のある家を後悔しないためには設計施工実績の豊富な建築会社へ相談しましょう。
● クレアカーサは千葉県でスタイリッシュ&高性能な家を数多く手がけています。
リビング階段とは|メリット
リビング階段とは階段室を別に設けずリビングの一角に階段を設置する間取りです。
最近トレンドのスタイルで採用事例は年々増えています。
ではリビング階段のメリットを見てみましょう。
- ● コンパクトな住宅でも吹き抜けをつくることができる(別で階段室を作る必要がなく、階段上の空間を吹き抜けに兼用できる)
- ● 階段までの通路がいらない(動線の効率化)
- ● 階段の踊り場をスキップフロアとして活用できる(リビング学習・プレイルーム・書斎・セカンドリビングなど)
- ● 階段下スペースの活用方法が豊富(日常的に使える収納・テレビ置き場など)
- ● 階段が寒くならない(リビングの空調であわせて温度調節できる)
- ● 家族とコミュニケーションをとりやすい(2階の個室へ行く際に必ずリビングを通るため)
- ● 上下階が緩やかにつながる(上下階でお互いの気配を感じやすい)
- ● おしゃれで高級感のあるインテリアになる
- ● 空間がひと続きになりダクトレスな空調システムと相性が良い(床下エアコンや小屋裏エアコンなど)
限られた床面積を有効活用したい方や家族との繋がりを豊かにしたい方にこそ「リビング階段」がおすすめです。
ただしリビング階段のある間取りを選ぶ際には、事前に知っておいていただきたいデメリットや注意点があります。
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リビング階段のよくある後悔理由・デメリットと対策
リビング階段はメリットが多くトレンドの間取りであるため、ご自宅に採用する方は増えています。
ところが実際に暮らし始めて後悔している方もいらっしゃるようです。
リビング階段のデメリットや注意点、よくある後悔理由を、その対策と合わせて紹介します。
人や物が落ちると危ない
リビング階段の中でも人気なスタイルが軽やかな印象の「オープン階段」です。
段差と段差をつなぐ蹴込み(けこみ)板と呼ばれるパーツがなく、スケルトン階段やストリップ階段とも呼ばれます。
すっきりとしたデザインにするために、写真のように手すりの下もミニマルな構造の階段が特に人気です。
ところが、実際に住んでみると小さいお子様が落ちないか心配される方もいらっしゃいます。
- ● 階段脇に壁がある「箱型階段」にする。
- ● オープン階段の脇に、落下防止ネットやアクリルパネルなどを取り付ける。
- ● 階段上り口に仮設ゲートを設置できる袖壁を作る。
- ● 万が一落下事故が起きた時の被害を抑えるために、直階段ではなく途中に踊り場を設けて「曲がり階段」や「折り返し階段」にする。
- ● 手すりはお子様などがよじ登りやすい横格子(横フェンス)にしない。
- ● 踏面を滑りにくい材質にする。
吹き抜けで寒い・リビングの空調が効かない
リビング階段の魅力は開放的な吹き抜けと相性が良い点ですが、吹き抜けにすることで空調が効かず冬に寒いと後悔している方もいらっしゃるようです。
- ● 家全体の断熱性を高めて外気温の影響と室内の上下温度差を最小限に抑える(空調機器に頼らなくても快適な室温になる)
- ● 床暖房で足元の温度を上げる
- ● 高断熱性能に加えて床下冷暖房システムで家全体を一台の空調機器で温度調節する(室温ムラがなく省エネ)
- ● 階段上部にシーリングファンを設置する(暖房時には天井付近の空気を撹拌し、冷房時には送風によって体感温度を下げる)
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来客時に家族が行き来して気になる
「リビングで来客者と時間を過ごしている横を家族が行き交うのが気になる」という感想も見かけます。
確かにソファなどをおいてある来客スペースのすぐ横に階段を設置すると、時間帯によっては落ち着いて話ができない可能性もあるでしょう。
- ● リビングをL字型にして階段のある家族用スペースと来客用スペースを区切る。
- ● 階段をリビングの出入り口付近に配置する。
- ● 階段を上り下りする人とリビングにいる人の視線が交わりにくくするために、のぼり口の脇に格子パネルなどの目隠しを設置する。
- ● 来客が多い場合はメインリビングとは別に2階などに家族専用のセカンドリビングを設ける。
- ● リビングのソファを階段に背が向くように置く。
- ● ウッドデッキなどを作りアウトドアリビングを来客スペースにする。
▶︎おすすめコラム:アウトドアリビングの魅力と注意点は?後悔しないための間取り・設備ポイントやおしゃれな施工事例
プライバシーが守られにくい・音が響きやすい
リビングに階段があると人が集う場所であるリビングと2階のプライベートな空間がゆるやかにつながり、「プライバシーが守られない」「キッチンやリビングの音が響く」と気になる方もいらっしゃるようです。
特に早朝や深夜に帰宅や外出する方がいらっしゃるご家庭は注意しましょう。
- ● 階段を登り切ったところにホールなどを設けて、奥に個室を配置する。(個室と階段の間に緩衝帯となる空間を設ける)
- ● 個室の階段に近い場所へクローゼットを配置したり、階段脇をトイレにする。
キッチン・ダイニングの匂いが2階に広がる
料理の匂いが階段を伝って2階まで広がるのが気になる方もいらっしゃいます。
キッチンの換気が不十分ですと匂いだけではなく油煙(※)も広がる可能性があるので注意しましょう。
※油煙(ゆえん):調理中に発生する油と水蒸気が混じった油分を多く含む湯気
- ● キッチンのレンジフードを同時給排気型にする。(レンジフード自体に給気口がついているタイプ)
- ● キッチン・ダイニング付近に窓や自然給気口を取り付け、レンジフードの給気不足を防ぐ。
- ● 広範囲に広がった匂いなどを速やかかつ計画的に排気できる「機械換気システム」や「消臭機能のある空気清浄機」を採用する。
効率的に室内の空気を入れ替えるためには、空気の流れを作る必要があり、排気力と給気力のバランスが重要です。
最近の住宅は高気密化が進んでおり、いくら換気能力の高いキッチンフードを設置しても、給気力が足りずにキッチンフードが吸い込み不良になる可能性があるので注意しましょう。
階段までの経路や形状によって大きな物を上げ下げしにくい
「引越しの時にベッドなどの大きな荷物を上げ下げできない」と後悔する方もいらっしゃるようです。
こちらのケースはリビング階段に限った問題ではありませんが、良くある後悔理由なので注意しましょう。
- ● 玄関からリビング階段の上り口まで、できるだけ直線的な動線にする。
- ● 階段の上り口を広くする。
- ● 玄関から階段までの間にドアを設ける場合は間口を広めにする。
- ●「折り返し階段」「曲がり階段」の場合は手すり上で家具の向きを変えられるように周囲をオープンにする。
- ● 前面道路からリビングまでスムーズにアクセスできる動線を確保する。
- ● 階段部分を含む吹き抜けを広くして、上りきったところにホールを設ける。(家具をロープで上げ下ろしできる)
- ● 上階の家具は造作家具を中心とし、大物家具を搬入出しなくても良いようにする。
▶︎関連コラム:おしゃれなリビング階段のある家を建てたい!間取り計画の注意点と対策4つ
【注文住宅の成功事例】リビング階段のある家
クレアカーサでは「高断熱+リビング階段」のデザインレパートリー豊富な住宅を多くて手がけています。
その中からいくつかの事例を間取り図付きで紹介します。
階段下を有効活用
延床面積 |
101.02㎡ (30.55坪) |
敷地面積 |
201.68㎡ (61.00坪) |
こちらは階段下のスペースを大容量の収納として活用しているケースです。
間取り図を見ると1階には廊下が全くありません。
その代わりに勝手口付きのランドリールームも兼ねた洗面室や広々としたシューズインクローゼットを作るなど、空間を生活のためのスペースとしてフル活用できます。
ダウンフロアリビングと組み合わせて開放感を強調
【施工事例:ダウンリビングを愉しむ 白い塗り壁のガレージハウス】
延床面積 |
136.62㎡ (41.32坪) |
敷地面積 |
195.24㎡ (59.06坪) |
こちらはリビングスペースの床を周囲より下げたダウンフロアリビングを採用した事例です。
ダウンフロアリビングは床に直接座ってくつろげて視線が低くなり、リビング上の吹き抜けと相まって天井の高さをより一層強調できます。
ダイニングキッチンと吹き抜けの距離を取ることで、空間の印象にメリハリをつけている点もポイントです。
吹き抜けを囲むように2階の廊下を作り、回遊的で高級感のある間取りに仕上げました。
高窓で明るく爽やかな印象のリビングに
【施工事例:やわらかな光で彩られたカリフォルニアスタイルの家】
延床面積 |
107.64㎡ (32.56坪) |
敷地面積 |
377.10㎡ (114.07坪) |
こちらは吹き抜け上部2面にハイサイドライト(高窓)を設置して、1階の奥まで陽の光を取り入れられるようにした事例です。
ほぼ全開口できるテラス窓との組み合わせにより、開放的なリビングになりました。
ウッドデッキを作ったのでアウトドアリビングまで空間が広がるので、コンパクトながらも優雅な広さを感じられます。
リビング階段でより快適なロフトに
【施工事例:ドライガーデンが彩る 海辺のサーファーズハウス】
延床面積 |
109.86㎡ (33.23坪) |
敷地面積 |
230.42㎡ (69.70坪) |
こちらは、平屋建てにリビング階段を設置した事例です。
階段を登ると落ち着いて作業できる書斎を兼ねたロフトが広がります。
簡易的なハシゴを使って上り下りするロフトよりも、楽にアクセスできて活用方法の幅が広がります。
吹き抜けのないリビング階段も魅力的
【施工事例:光そそぐタイルテラス ティータイムを愉しむ白い家】
延床面積 |
104.06㎡ (31.47坪) |
敷地面積 |
237.09㎡ (71.71坪) |
こちらは吹き抜けのないリビング階段のある事例です。
廊下をつくらずに階段へアクセスできる間取りにしたことで、独立したワークスペースを設けられました。
リビングを通らなくても直接階段へアクセスできるように2方向の動線を実現した点もポイントです。
リビング階段のある家には「高断熱・省エネ」なZEHがおすすめ
リビング階段や吹き抜けのある家で最も懸念されるのが「空調効率の低下」です。
そこでクレアカーサでは「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」との組み合わせをおすすめしています。
ZEH(ゼッチ)とは高断熱性と省エネ・創エネ性の両方を兼ね備えることで、家庭で使う消費エネルギーより住宅で創り出すエネルギーが多い、または両者の収支ゼロを目指す“自給自足住宅”です。
ZEHにすると外気温による影響を最小限に抑えられ、さらに太陽光発電によって光熱費の負担を下げられます。
クレアカーサはデザイン性と省エネ性の両方を備えたZEHの普及へ積極的に取り組んでいますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
▶︎関連コラム:「ZEHは意味ない!?」後悔しないZEH住宅づくり|“成功”のポイントを解説
▶︎太陽光発電システムを“実質0円”で導入できる「建て得」プラン
まとめ
「リビング階段のある家」にはメリットがある反面、知っておいていただきたいデメリットや注意点があります。
マイホームを後悔しないためには住宅性能と間取りの両方に工夫が必要です。
ご予算に合わせて理想的な住宅づくりを実現させたい方は、施工事例が豊富な会社へ相談しましょう。
私たちクレアカーサ(株式会社日立プロパティアンドサービス)は、千葉県茂原市にある建築会社です。
「デザインも性能もコストも諦めたくない」という方はぜひお気軽にご相談ください。
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監修者情報 クレアカーサコラム編集部
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家づくりに役立つ情報をお届けしています。
・免許情報
・資格情報
・執筆出演
・受賞歴など
住宅業界の専門性について
免許登録
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会
建設業許可番号 国土交通大臣 許可(特5)第29052号 国土交通省
宅建業免許証番号 国土交通大臣(15)第810号 国土交通省
資格情報
- 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、
宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士他
受賞歴
- ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞
・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞
・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会