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2024年11月18日/ Last updated : 2024年11月25日

「和室はいらない」って本当?メリット・デメリットと新築住宅の事例で見る後悔しないためのポイント

「和室はいらない」って本当?メリット・デメリットと新築住宅の事例で見る後悔しないためのポイント

最近、和室の魅力が再認識され始めています。

しかし一方で、「和室はいらない」「和室は時代遅れ」「和室を作って後悔した」というご意見が見られることもあります。

そこで今回は「和室」のメリット・デメリットや活用方法、おしゃれな施工事例、間取りに和室を取り入れる際のポイントを紹介します。

「自宅に和室を作ろうか迷っている」「おしゃれで快適な家を建てたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

コラムのポイント

● 和室は色々な用途で活用できる柔軟性のある空間です。

● 和室を作る際にはデメリットや注意点とその対策も知っておきましょう。

● クレアカーサは千葉県でスタイリッシュ&高性能な和室のある住宅を数多く手がけています。

 

 

「和室のある家」の推移

和室を作る家の推移

【施工事例:スキップフロアに書斎のあるナチュラルリビングの平屋】

「和室をつくる家は少ない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。

確かに農林水産省の調査では、畳表(※)の供給量(国内生産量+輸入量)は減少し続けており、「3,831万枚(1996年)」から「745万枚(2023年)」とたった27年間でマイナス約80%と激減しています。(参考:農林水産省|いぐさ(畳表)をめぐる事情

※畳表:い草を織って敷物状にしたもので、畳の表面に張る

このデータだけ見ると「和室を作る家はほとんどないのでは」と思うかもしれません。

しかし新設住宅着工戸数は減少傾向であるにもかかわらず、2016年以降の世帯あたりの畳枚数は一定の推移をたどっています。(参考:農林水産省|いぐさ(畳表)をめぐる事情

 

ポイント

和モダンスタイルの住宅デザインがトレンドになったことや、欧米からジャパンディ(※)インテリアの流行が広まってきたことによって、日本国内でも和室を取り入れる住宅が増えています。

 

※ジャパンディ:和風デザインと北欧デザインを融合させたインテリアスタイル

 

▶︎おすすめコラム|モダンな和室でおしゃれに!家づくりのコツ7つと施工事例

 

 

和室のメリットと活用方法

和室のメリットと活用方法

【施工事例:凛とした美しさが魅力のデザイン住宅

和室の魅力が再認識され始め、若い世帯の方でもマイホームへ取り入れたいというご要望をよくいただきます。

なぜなら和室にはいくつものメリットがあるからです。

 

床に直接座ったり寝転んだりしてリラックスできる

フローリング仕上げの洋式な空間では、いくらラグを敷いても床に直接座ったり寝転んだりしにくいですよね。

対して畳は適度な硬さによって、直接座ったり寝転んだりしても疲れにくい特徴があります。

和室を小上がりにして他の空間より一段高くすると人がすぐ横を歩いても気になりませんし、ホコリなどが舞うリスクを抑えられます。

 

可変性が高く多目的に使える

古くから原則として和室にはあまり多くの家具は置かず、ちゃぶ台や座布団、布団を出し入れして多目的な空間として活用します。

そのためシーンに合わせてリビングルームや客間、勉強スペースなど様々な用途の空間へ便利に変えられる点は大きな魅力です。

 

キッズスペースとして活用しやすい

リビング横の和室を小さなお子様の遊び場やお昼寝・おむつ替えスペース、学習スペースなどに活用するご家庭は珍しくありません。

フローリングの部屋ではラグや椅子、ベッドなどの家具が必要ですが、和室でしたら最小限の設えでも子ども部屋にできます。

また、い草はストロー状をしていて空気を多く抱え込んでいるため、木質フローリングのおよそ10倍もの耐衝撃性があり転んでも怪我をしにくい点もポイントです。(参考:国土交通省|木材は人にやさしい

 

調湿効果がある

畳表の原料である「い草」には空間の湿度を調節する調湿効果があります。

湿度が高い時には「い草」が湿気を吸収して、逆に乾燥している時には抱え込んだ湿気を放出するのです。

畳は1枚で500ccもの水分を吸収できるとも言われています。

 

い草の香りによるリラックス効果がある

新しい畳の香りは日本人にとって親しみのある匂いですよね。

い草の香り成分は杉などの木にも含まれるフィトンチッドや、バニラの香り成分でもあるバニリンで構成されています。

フィトンチッドやバニリンにはリラックス効果や集中力アップ、鎮静効果、筋肉の緊張を緩める効果があると言われていることから寝室や書斎を和室にする住宅も少なくありません。

 

 

「和室はいらない」と言われる理由とデメリット・注意点

「和室はいらない」と言われる理由とデメリット・注意点

和室にはいくつものメリットがある反面、間取りへ取り入れる前に知っておいていただきたいデメリットや注意点もあります。

後悔しないための対策方法と合わせて家の間取りを検討する前にチェックしておきましょう。

 

畳は掃除やメンテナンスが大変

表面が滑らかなのでモップや化学雑巾でもスムーズに掃除できるフローリングと違い、「畳はホコリが溜まりやすい」というイメージを持つ方も多いでしょう。

また、飲み物などをこぼせばどうしてもシミが付いてしまいます。

そして、畳表の「い草」は経年変化でささくれ立って所々切れてくるため、5〜7年程度で表替えをして、さらに10〜15年で畳を丸ごと交換しなくてはいけません。

 

対策方法

畳表替えは5,000円/枚〜、畳床から丸ごと取り替えても8,000円/枚〜とフローリングを張り替えるよりもリーズナブルです。

一般的な木質フローリングの寿命は20〜30年程度で一畳の広さを張り替えるのに最低でも3万円程度はかかるので、長期的に考えると畳の方がお得と言えます。

最近は、ポリプロピレンなどの樹脂製でシミがつきにくく水拭きできる畳も普及しているため、小さいお子様がいるご家庭などにおすすめです。

 

 

畳にはカビやダニが発生しやすい

畳表の原料である「い草」には調湿機能がありますが、その効果にも限界があります。

「い草」の吸湿作用が飽和状態になると、表面湿度が高くなって室温によってはカビやダニが発生するのです。

一般的なカビやダニは、湿度80%以上温度5~35℃前後の環境がそろうと繁殖するため、梅雨時期には注意しましょう。

 

対策方法

畳の上に布団やカーペット、ラグを長期間敷いたままにすると、湿気がこもってカビやダニが生えやすくなります。

ただしこれはフローリングも同じで、表面湿度が高くなれば畳と同様にカビの発生リスクは避けられません。

最近は通気性がよくカビやダニが繁殖しにくい和紙畳も人気です。

 

 

障子や襖は破れやすい

和室に障子や襖を組み合わせると、障子紙や襖紙がすぐに破れないか心配な方も多いでしょう。

障子や襖は本来、大掃除などの時に紙を張り替えてきれいに保つことが前提なので、内装ドアと比べると壊れやすい点は否めません。

 

対策方法

こまめに障子紙を貼り替えたくない方は破れにくいプラスチック強化紙を選びましょう。

経年変色が少なく、破れなければ10年程度貼り替えずに済みます。

建具として化粧板仕上げの襖や洋風引き戸を組み合わせるデザインも人気です。

 

 

家具を置くと床に跡が残る

畳には弾力性があるため、短期間でも上に重い家具を置くとどうしても跡が残ります。

また、新しい畳の上に長期間同じ家具を置くとイ草が部分的に変色して色違いが発生する点にも注意しましょう。

畳が変色(退色)する原因はイ草に含まれる葉緑素(クロロフィル)が紫外線によって変質することにあります。

 

対策方法

和室には押し入れと造作家具を組み合わせてあまり置き家具を設置しないようにしましょう。

どうしても移動できる家具を設置したい場合は、床の間など部分的に板張りのスペースを作るのがおすすめです。

 

 

高齢になると立ち座りが大変

高齢になって体力が落ちてくると床に座っている状態から立ち上がるのが大変になってきます。

また立ったり移動したりする時に手すり代わりとなる家具がないと、出入り口まで歩くのも困難になるケースもあるでしょう。

 

対策方法

立ち座りや他の部屋への移動を楽にするためにおすすめなのが「小上がり」スタイルの和室です。

段差を腰掛けるのにちょうど良い30〜40cm程度にして、畳スペースを広くし過ぎなければ足腰が弱くなっても移動が楽になります。

 

 

その他のスペースが狭くなる

「なんとなく和室を作ったが、あまり使わず他のスペースが狭くなった」と後悔する方もいらっしゃるようです。

確かに、和室を作れば当然その他のスペースは圧迫されます。

 

対策方法

和室を作っても使用頻度が少ないと無駄なスペースになるため、必ずプランニングの前に「どうして和室が必要なのか」「どうやって使うのか」を明確にしましょう。

個室ではなくリビング横に小上がりや畳スペースとして併設すると、間仕切り壁が必要なくなり、限られたスペースをフル活用できます。

 

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【おしゃれな施工事例】新しいスタイルの和室|小上がり・掘ごたつ・リビング横

クレアカーサではこれまでモダンなインテリアにも溶け込むおしゃれな和室がある住宅を数多く手がけてきました。

いくつかの事例を交えて間取りやデザインのポイントを紹介します。

 

シンプルモダンなインテリアに溶け込んだ小さな和室

シンプルモダンなインテリアに溶け込んだ小さな和室

【施工事例:光あふれるリビング シンプルスタイルの平屋】

こちらは、リビングの一角に4.5畳程度の小さな和室を作った事例です。

引き戸で完全に閉め切れば個室として使えますし、扉を全て壁に引き込むと開放的でリビングと一体感のあるリラックススペースとして活用できます。

キッチンで料理している間も赤ちゃんを安心してお昼寝させられるため、子育て世帯の方にもおすすめの間取りです。

シンプルモダンなインテリアに溶け込んだ小さな和室

和室にはたっぷり収納できる吊り戸棚を設けたので、季節物やすぐに取り出したいオムツなどのアイテムもすっきりしまえます。

 

2つの特長的な和室を使い分ける家

2つの特徴的な和室を使い分ける家

【施工事例:趣味を愉しむ和モダンの平屋】 

こちらはリビングにフローリング床とフラットな畳スペース、小上がりの和室の両方がある事例です。

開放的でテレビを眺めながらゴロゴロとくつろげるオープンな空間と、趣味の釣りで使う道具をディスプレイできる落ち着いた空間のコントラストがポイントです。

2つの特徴的な和室を使い分ける家

小上がりの和室は障子で閉め切れるので客間や応接間としても使えますし、フラットな畳スペースと通路の間を軽やかなロールスクリーンで区切れるので、ご家族も落ち着いてくつろげます。

 

明るく開放的なワークカウンター付き小上がり和室

【施工事例:和と北欧の魅力 居心地の良いジャパンディの家】

こちらは2面を開放し大きめの窓も設置した明るく爽やかな小上がりスタイルの和室です。

ダイナミックな格子と半畳サイズのヘリ※なし畳がシンプルな印象で、現代風のモダンインテリアとも違和感なく馴染みます。

※ヘリ:畳の縁に縫い付けられたテープ状の布

格子で緩やかに空間を区切った和室

窓辺にはご夫婦で並んでくつろげる長くすっきりとしたワークカウンターを設置しました。

 

ダイニングテーブルも兼ねた小上がりリビング

格子で緩やかに空間を区切った和室

【施工事例:ミニマム&アクティブ 平屋で叶えるセカンドライフ】

こちらの事例は畳敷きの和室ではありませんが、家の中心に広い小上がりを作り、床座でくつろげる場所を設けた事例です。

テーブルはオーダーメイドで天板や脚を外すことができ、用途によって形を変えられます。

格子で緩やかに空間を区切った和室

掃除がしやすくやわらかな手触りの杉板もこだわりのひとつ。書斎スペースとキッチンスペースの中央に位置し、使い勝手の良いくつろぎ空間となっています。

 

ポイント

クレアカーサでは様々な間取り・デザインの住宅施工事例を豊富に取り揃えています。

「マイホーム計画を始めたばかりでどんな家にしたいかイメージが固まらない」という方は、ぜひ参考にご覧ください。

 

クレアカーサの施工事例はこちらから

▶︎住まいの間取りに関するご相談はこちらから

 

 

和室を作る場合のデザインポイント

和室を作る場合のデザインポイント

【施工事例:薪ストーブのあるレトロモダンの家】

「和室はいらない」「和室を作って後悔した」と感じないために、和室を作るときのポイントを知っておきましょう。

 

生活動線の途中に配置する

和室を客間などのサブ的な空間として使う場合、間取りの端に配置しているケースは珍しくありません。

しかし、和室へ“わざわざ”行かないといけないようでは、日常的に活用できません。

使われなくなった和室がいつの間にか納戸になってしまう可能性もあります。

和室を日常使いしたい方は生活動線の途中に配置しましょう。

 

シンプルに仕上げる

和風なデザインに寄りすぎると他の空間のインテリアとバランスが取れず浮いてしまう可能性があります。

日頃開放的に和室を使いたい場合は、できるだけ装飾的な要素を取り除いたシンプルデザインにするのがおすすめです。

「和モダンな家」「ジャパンディな家」をコンセプトにすると、すっきりとしたインテリアにまとまります。

 

洋風インテリアにもなじむ畳を選ぶ

開放的な和室をリビング横に作りたい場合は、洋風なインテリアと馴染む和室デザインを意識しましょう。

ヘリなし畳や琉球畳(※)風の半畳タイプが人気で、さらにフローリングの上に使いたい時だけ設置する薄型の置き畳(※)もおすすめです。

※琉球畳:畳表が「い草」ではなくさらに強度の高いカヤツリグサ科のシチトウから作られているため、ヘリを付ける必要がない。最近はい草を原料とした畳表でも“へりなし”にできるようになった。

※敷き畳:通常の畳が厚さ30~60mmなのに対して厚さ約15mmと薄いため、ラグのように使える。

最近はナチュラルな「い草」の色に加えて、和紙やポリプロピレン製の畳表は、黒、グレー、ベージュ、ピンクなど、カラーレパートリーが豊富です。

 

作り込みすぎない

和室の良さは色々な用途で活用できる柔軟性です。

そのため、大きな家具をたくさん置いたり造作家具を作りすぎたりすると使い道が限られる可能性があります。

今だけではなく10年後・20年後に家族構成やライフスタイルが変化することも見据えて、作り込みすぎないフレキシブルな空間にしておくのがおすすめです。

 

ポイント

クレアカーサではお客様の「ご予算・敷地・ご家族の条件」を踏まえて、オリジナリティあふれる住まいを提案しております。

おしゃれで快適かつ省エネなマイホームを建てたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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まとめ

「和室はいらない」「和室は今の家に合わない」と思う方もいらっしゃるようですが、間取りやデザインによっては現代の生活様式にもフィットします。

洋室にはない魅力がありますので、メリットとデメリットを踏まえてマイホームの間取りをご検討ください。

和室のある家を建てたい方はレパートリー豊富な間取り・デザインの施工事例を持つ建築会社へ相談することも重要です。

 

ポイント

私たちクレアカーサ(株式会社日立プロパティアンドサービス)は、千葉県茂原市にある建築会社です。

デザイン性と省エネ性の両方を備えた「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の普及へも積極的に取り組んでいます。

「デザインも性能もコストも諦めたくない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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監修者情報 クレアカーサコラム編集部

家づくりに役立つ情報をお届けしています。 ・免許情報 ・資格情報 ・執筆出演 ・受賞歴など

住宅業界の専門性について

免許登録
資格情報
  • 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、
    宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士他
受賞歴
  • ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞
    ・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞
    ・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等

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