シューズインクローゼットは必要?いらないと言われる理由と後悔しないためのポイントを解説
近年、新築戸建住宅において定番になりつつある「シューズインクローゼット」ですが、あると便利な場合とそうでない場合があります。
そこで今回は「シューズインクローゼット」のタイプ別の特徴とメリット・デメリット、間取りのポイントについて、施工事例を交えて紹介します。
「家事が楽な家」や「片付けやすくていつもスッキリした家」を新築したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
コラムのポイント
● シューズインクローゼットにはいくつかのタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。
● シューズインクローゼットを作る際は、どのような使い方をするのか具体的にイメージしてプランを検討しましょう。
● クレアカーサは千葉県でシューズインクローゼットのあるスタイリッシュ&高性能な住宅を数多く手がけています。
シューズインクローゼット(シューズインクローク)とは
【施工事例:勾配天井でLDKに光ひろがる ダークモダンの平屋】
シューズインクローゼットは平面図などではS.I.Cと表記され、靴を履いたままアクセスできる収納空間を指します。
シューズクローク(S.I)と呼ばれることもありますが、この2つには基本的に違いはありません。
一般的には玄関脇に配置されますが、勝手口からアクセスできるようにしてパントリーと兼ねるプランも人気です。
シューズインクローゼットは、間取りのタイプによって主に2種類に分けられます。
ウォークインタイプ
中に入ると中が突き当たりになっているプランを「ウォークインタイプ」と呼びます。
出入り口にドアのついていないオープンタイプとドアのついているクローズドタイプがありますが、どちらにおいても玄関などから出入りできる場所は1箇所のみです。
ウォークスルータイプ
こちらは玄関からシューズインクローゼット、さらに奥の空間まで通り抜けできるプランです。
こちらも出入り口ドアの有無でオープンタイプとクローズドタイプに分けられます。
シューズインクローゼットのメリット
シューズインクローゼットの採用事例が増えている理由は、いくつものメリットがあるからです。
下駄箱よりも収納量が多い
最近は床から天井まで続く大型の下駄箱(玄関収納)のついている住宅は珍しくありませんが、シューズインクローゼットはさらに玄関の収納量を増やせます。
ウォークインタイプでしたら出入り口のある壁を除いて3面、ウォークスルータイプでも2面は収納として利用できます。
靴以外のものもしまえる
既製品の下駄箱は靴や傘、大きなタイプでもコート程度しかしまえませんよね。
ところが収納家具ではなく空間であるシューズインクローゼットは、広さ次第で以下のようなものも収納できます。
- ・靴
- ・傘
- ・コート
- ・ベビーカー
- ・三輪車や自転車
- ・屋外の遊び道具
- ・ガーデン用品
- ・ペット用品
- ・アウトドア用品
- ・掃除道具
- ・日常的に使うバッグやランドセル
このようにプランニングや広さ次第では、屋外へ持ち出すものをすぐに出し入れできる場所へ収納できるのです。
また全身の映るミラーを設置すれば、外出前に身だしなみを整える場所としても使えます。
ランドセルなど出かける際の持ち物をシューズインクローゼット内の決まった場所へおくと、忘れ物防止にも効果的です。
ご家族が多く朝など外出時間が重なる場合は、シューズインクローゼットの中で動線が混み合わないようにウォークスルータイプにしましょう。
防災グッズの置き場に適している
屋外へすぐにアクセスできるシューズインクローゼットは近年、防災グッズの定位置として活用する方が増えています。
避難の際に靴を履くのと合わせてすぐに手に取りやすく、直射日光が当たりにくいため常備水や非常用食料品を保管するにも適しているからです。
防災面を考慮する場合は、二方向からアクセスできるウォークスルータイプがおすすめです。
ウォークインタイプでは、地震で内部のものが崩れ落ちて防災グッズを手に取れない事態も想定できます。
玄関を常に整理整頓しやすい
ご家族の人数が多い場合、常に玄関に靴がたくさんあって「来客時に慌てて片付ける」といったシーンは珍しくないですよね。
玄関とは別にシューズインクローゼットがあると、たくさんの靴をしまえます。
玄関からシューズインクローゼットの内部を隠したい場合は、ドア付きのクローズタイプにしましょう。
ウォークスルータイプにするとご家族はシューズインクローゼットのドアから、来客者は玄関から室内へアクセスできるため、常に玄関がスッキリします。
シューズインクローゼットを間取りへ取り入れる際は「なぜ作るのか」の目的を明確にして、それに合うプランのタイプを選びましょう。
【施工事例:片流れの美しいフォルム シンプルスタイルの平屋】
シューズインクローゼットのデメリットと対策、間取りポイント
今や建売住宅・分譲住宅の間取りへも採用されているシューズインクローゼットですが、ライフスタイルや家族構成に合うプランでないとうまく活用できず後悔するかもしれません。
ここでは、シューズクローゼットのデメリットや注意点とその対策方法を紹介します。
1階の床面積が狭くなる
玄関や勝手口の横に収納スペースを作ると、その分1階で居住用スペースとして使える面積は狭くなります。
いくら収納できてもLDKなどが狭くなっては住みにくさを感じてしまうかもしれません。
シューズインクローゼットの有無や広さを決める際は、間取り全体の面積配分に注意しましょう。
戸建住宅の場合、全体の収納スペースは「延べ床面積の10〜20%」程度が目安です。
これを基準として収納を多めにしたいかコンパクトにしたいか検討してみてください。
収納量が足りない・狭い
例えば3〜4人世帯の場合でしたら、靴や傘、コートをしまう程度であれば1畳(0.5坪)の広さがあれば十分です。
しかしアウトドア用品やベビーカー、三輪車までしまうとなると、最低でも2畳(1坪)はないと収納しきれません。
十分な広さを確保しても、ウォークスルータイプは通路の両側にしか収納を設置できないため注意してください。
一方ウォークインタイプは内部の3面へ収納を設置できますが、角はデッドスペースになりやすいため何をしまうか決めて収納プランを考えましょう。
使いづらい・デッドスペースが多い
広さは十分でも、棚の高さや奥行きが適切でないと効率よく物をしまえません。
所々に何もしまえないスペースができれば、シューズインクローゼット全体の実質的な収納量が減り、せっかく作っても無駄になる可能性があります。
使いやすくスペースを無駄にしないシューズインクローゼットにするためには、「何を・どこに・どれくらい」しまうか想定したプランニングが欠かせません。
とりあえず棚を作ってもうまく収納できないこともあるないため注意してください。
しまえるだけではなく、出し入れのシーンをシミュレーションすることも重要です。
荷物を出し入れしにくい
靴や傘をしまうだけのシューズインクローゼットであれば良いですが、ベビーカーなど大きな物を出し入れする場合はその動線も検討しましょう。
常に足元に靴が置かれている状態では、大きな荷物をスムーズに出し入れできません。
収納計画を考える際は「出し入れする頻度」ごとに物を分けて、しまう場所を決めましょう。
ウォークスルータイプはもちろん、ウォークインタイプの場合もクローゼット内部の通路幅がポイントです。
通路幅は最低でも75cmは確保しましょう。
湿気や臭いがこもる
玄関は湿気や臭いがこもりやすく、一日中履いた靴や濡れた傘をしまうシューズインクローゼットはなおさらです。
湿気や臭いが気になる方には玄関との間に扉がないオープンタイプがおすすめですが、ドアがないと臭いが玄関や玄関ホールへ広がる可能性もあります。
湿気や臭い対策に換気設備は欠かせません。
給排気をファンによって機械的かつ確実に行う「第一種方式の24時間換気システム」や、気になる臭いをイオンの力で消す「イオン発生器」、邪魔にならない「壁付けの除湿機」がおすすめです。
窓を設ける方法もありますが留守中は締め切ったままになりますし、開けるのを忘れれば換気されないため、注意しましょう。
掃除しにくい
シューズインクローゼットには、靴についた土や砂埃が溜まりがちです。
清潔に保ちたい場所ですが、物を出さなければ掃除できない状態では家事の負担が増えてしまいます。
シューズインクローゼットは掃き掃除しやすいタイル仕上げやコンクリート打ち放しがおすすめです。
おしゃれなアンティークレンガ仕上げなど凹凸の大きい床は、汚れが溜まりやすく掃除しにくいので注意してください。
また床を一気に掃除できるように、壁付けのフロータイプの収納を設置するのもおすすめです。
掃除機を使う場合はコンセントも忘れずに設置しましょう。
混み合う時間帯がある
朝の外出時や夕方の帰宅時など、一時的に玄関やシューズインクローゼットが混み合ってストレスを感じるケースもあります。
シューズインクローゼットへスムーズにアクセスできず、結局玄関に靴を出しっぱなしにする可能性も否めません。
ご家族皆様の生活ルーティーンを確認し、同じ時間帯に出入りが集中する場合はウォークスルータイプを採用しましょう。
中が暗くて物を探しにくい
2畳ほどの空間でしたら、通常はダウンライトが一個でもあれば明るさを確保できます。
ところが、中央に立って収納の中をのぞくと真上からの光がご自身の頭の影になり、手元が暗くなる可能性があります。
明るさが足りないと、物を探しにくく掃除もきちんとできません。
シューズインクローゼットなどコンパクトな空間の照明計画にはコツが必要です。
中でどのような動作をするかシミュレーションして、手元が影に入らない場所へ照明を設置しましょう。
天井だけではなく壁に付けるブラケットライトや角度や位置を変えられるライティングレールを取り入れるプランがおすすめです。
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【施工事例】シューズインクローゼットのある家
クレアカーサでは、シューズインクローゼットのある住宅を数多く手がけています。
その中からいくつか事例を紹介します。
ウォークイン+オープンタイプ
こちらは、玄関脇にゴルフバックまで収納できるシューズインクローゼットを配置した事例です。
ウォークインタイプにして、突き当たりまで収納できるようにしました。
また、大きなものもスムーズに出し入れできるようにドアをつけずオープンにした点もポイントです。
ウォークスルー+オープンタイプ
こちらは、メインの玄関框(かまち)と家族用の玄関框を設置した事例です。
ウォークスルータイプなので、通り抜けられるので玄関が混み合いません。
玄関土間はリビングまで続いているため、靴を履いたままご友人とリビングで会話を楽しむこともできます。
ウォークイン+クローズドタイプ
こちらは、玄関ドアとの間に引き戸を取り付けた事例です。
土間から浮くように天井から吊り下げられたスライドドアを採用したため、シューズインクローゼットの中を隠しつつも自然換気できる点がポイントです。
スリット状の窓を設置して、明るく爽やかなシューズインクローゼットに仕上がりました。
ウォークイン+オープンタイプ+玄関収納
こちらは、玄関には靴をしまうための玄関収納を設置して、それとは別にシューズインクローゼットを作った事例です。
猫を飼っているため、抜け毛がコートへつかないように帰宅してすぐに脱いでかけられるスペースを作りました。
シンプルで広々とした土間なので、猫のブラッシングをするスペースとしても活用できます。
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シューズインクローゼットが“いる人”と“いらない人”
【施工事例:シンプルだから美しい 白い塗り壁のサーファーズハウス】
シューズインクローゼットはどのように使うか想定して作らないと、結局使われないデッドスペースとなる可能性があります。
そのため、間取りを考える前にその必要性を確認しましょう。
シューズインクローゼットがいる人といらない人の例は以下の通りです。
いる人 |
|
いらない人 |
|
これらはあくまでも一例なので、ご自身の生活ルーティーンを振り返り、シューズインクローゼットがあった方が良いかそうでないかを確認して、間取りを検討しましょう。
まとめ
シューズインクローゼットにはいくつかのタイプがあり、それぞれ特徴は異なります。
暮らし方やご家族構成によって適したタイプは違い、場合によってはシューズインクローゼットを作らない方が暮らしやすい方もいらっしゃいます。
おしゃれで快適に暮らせる家を建てたい方には、シューズインクローゼットのある家を多数手がけた建築会社がおすすめです。
私たちクレアカーサ(株式会社日立プロパティアンドサービス)は、千葉県茂原市にある建築会社です。
デザイン性と省エネ性の両方を備えた「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の普及へも積極的に取り組んでいます。
「デザインも性能もコストも諦めたくない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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監修者情報 クレアカーサコラム編集部
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家づくりに役立つ情報をお届けしています。
・免許情報
・資格情報
・執筆出演
・受賞歴など
住宅業界の専門性について
免許登録
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会
建設業許可番号 国土交通大臣 許可(特5)第29052号 国土交通省
宅建業免許証番号 国土交通大臣(15)第810号 国土交通省
資格情報
- 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、
宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士他
受賞歴
- ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞
・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞
・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会