「平屋に中二階をつくる」メリット・デメリットと後悔しないための間取りポイントを解説
最近、平屋建ての家に「中二階」を設ける事例が増えています。
中二階と聞くとなんとなくのイメージは思い浮かぶ方も多いでしょう。
しかし、あまり知られていない活用方法や魅力があります。
そこで今回は「中二階のある平屋建て」について、ロフト・スキップフロアとの違いや空間の活用方法、メリット・デメリット、そのほか多くの方からいただくご質問を紹介します。
クレアカーサの施工事例を交えて解説しますので、ぜひマイホームづくりの参考にしてください。
コラムのポイント
● 中二階のある平屋建て住宅にはメリットとデメリットがあるため、後悔しないためにはその両方を知っておくことが重要です。
● 中二階をつくる場合は、その活用方法を計画段階からイメージしておきましょう。
● クレアカーサは千葉県でスタイリッシュ&高性能な住宅を数多く手がけています。
中二階とは?ロフト・スキップフロアとの違い
「中二階」とは1階床レベルと2階床レベルの中間あたりに設けられた階を指し、1.5階と表記されることもあります。
スキップフロアも1階と2階など階層の間に設ける床という意味では、中二階と大差はありません。
ただし中二階よりも床レベル(床面の高さ)の差が小さいプランを指すことが多く、メインの床から数段だけ上がり下がりしている空間や、段差のある空間が連続している場合をスキップフロアと呼びます。
床レベルに変化をつける設計手法としてロフトも一般的ですが、こちらは天井高が1.4m以下で建築基準法上は居室としてみなされない部屋を指し、一般的には階層の中間には設置せず、最上階上に配置します。
つまりロフトは物置やフリー流ペースなどのサブ的空間、中二階はしっかりとした居住スペースとして使える空間と認識して良いでしょう。
施工事例の解説などを見る際、「中二階」「スキップフロア」「ロフト」の違いを知ると、よりそこでの生活をイメージしやすくなります。
また中二階のメリット・デメリットを知ると、本当に間取りに取り入れるべきかが分かります。
平屋に中二階を作るメリット
【施工事例:大好きなインテリアに囲まれた アメリカンスタイルの平屋】
中二階のある平屋建てが増えているのには、生活面やコスト面でメリットがあるからです。
中二階を作るとその下も活用できるため、実質使用できる床面積が広くなります。
1階と中二階にいる人で視線の高さが変わると、間仕切壁ななくても空間を分けられるため、コンパクトな場所でも圧迫感がありません。
中二階の天井高が通常の居室と同じ、もしくはそれ以上高いため、天井高の低いロフトよりも多目的に使えます。
視覚的に変化のある雰囲気になるため、おしゃれな印象のインテリアに仕上がります。
間仕切壁を作らず室内をゾーニングできるため、窓に面していない家の奥まで採光・通風できます。
土地をフラットにする造成コストをかけなくても、特性を生かして(傾斜に沿って)1階と中二階をつくれば、必要な床面積を確保できます。
中二階には生活を豊かで快適にするメリットがある反面、事前に知っておくべきデメリットがあります。
デメリットとその対策を知ることで、後悔のないマイホームづくりを実現できます。
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中二階のデメリットと対策|価格・耐震性・老後・税金
【施工事例:スキップフロアに書斎のある ナチュラルリビングの平屋】
中二階のある家を建てる際は、必ずデメリット・注意点とその対策を知っておくことが重要です。
中二階をつくると床組が複雑になるため、コストが高くなります。また中二階の下を半地下にすると、さらに建築費は割高になるため、予算とメリットを踏まえてコストパフォーマンスを確認しましょう。
中二階をつくると床が分割されるため、地震力がかかった際の負荷を考慮したより緻密な構造計画が必要です。地震に強い中二階のある家を建てたい方は、設計施工実績のある会社へ相談しましょう。
中二階をつくるとひとつづきの空間容積が広くなるため、空調が効きにくくなる可能性があります。そのため、外気温の影響を受けにくく空調効果をキープできる高断熱性は欠かせません。
中二階は2階よりも段差が少ないものの、階段を上らなくてはアクセスできません。そのため、老後などに使わなくなるケースもあります。中二階をつくる際は、将来も見据えた空間用用途にしましょう。
平屋は必要となる土地面積や基礎面積・屋根面積が2階建てよりも広くなるため、固定資産税が高くなりがちです。さらに中二階をつくると、その床面積も固定資産税評価面積に算入されます。固定資産税を抑えたい方は居室としてみなされない天井高1.4m以下になるプランにしましょう。
中二階のある平屋建て住宅を後悔しないためには、そのスペースの活用方法やメリットと建築にかかる費用の両方を確認し、損しないかどうかを建築会社とじっくり検討しましょう。
中二階スペースの活用方法
【施工事例:考え抜かれた家事ラク動線 子育て世代の快適平屋スタイル】
中二階の使い方はご家族構成やライフスタイルによって様々ですが、ここではよくある活用方法を紹介します。
子ども部屋
中二階を子ども部屋にすると、お子様の様子をなんとなく感じながら家事などをこなせます。
ただしお子様の年齢によってはプライバシー性を重視しなくてはいけないため、必要最低限の間仕切壁を設け、室内窓をつけるプランも増えています。
寝室
一人暮らしや二人暮らしの場合、寝室をしっかり分ける必要がないという方も珍しくありません。
しかし、ワンルームのようにリビングやキッチンと寝室が一つの空間では落ち着きませんよね。
そのような場合は中二階を寝室にする間取りがおすすめです。
コンパクトな平屋建てでも、床レベルを変えて空間を分けるとスペースの用途が明確になり、来客の際にもプライベートな部分が見えにくくなります。
書斎
コンパクトな書斎でも間仕切壁を設けて個室にすると、そこにアクセスするまでの廊下も必要で、まとまったスペースを割かなくてはいけません。
しかし、中二階を書斎スペースにするとリビングなどから直接アクセスでき、間仕切壁やドアを設ける必要がないため、空間を無駄なく活用できます。
ただし間仕切壁がないと周りの生活音が直接伝わってくるため、書斎をいつ・どのように使いたいのかを検討しましょう。
書斎としてだけではなく、お子さんのリビング学習スペースとして使うのもおすすめです。
セカンドリビング
最近じわじわと採用事例が増えているのが「セカンドリビング」です。
来客が多くメインのリビングで家族がくつろげないことの多いご家庭におすすめです。
セカンドリビングをお子様のプレイエリアやゆっくり過ごせるシアタールームに使う方もいます。
間仕切り壁がなくても1階から中の様子がわかりにくいため、急な来客があっても慌てて片付ける必要がありません。
客間
中二階を客間として使うのもおすすめです。
リモートワークしている方はお仕事の打ち合わせをする場所として使うのも良いでしょう。
床の仕上げや収納計画によっては、ご家族やご友人が泊まれる場所としても使えます。
中二階を作る場合は活用方法を明確にし、それに合わせた広さ・内装仕上げ・収納計画・照明計画にしましょう。
中二階“下”スペースは収納空間として活用するのがおすすめ
中二階の活用方法だけではなく、中二階“下”の活用方法についてもイメージしておきましょう。
平屋建てで1階床レベルと2階相当の床レベルのちょうど中間に中二階をつくった場合、中二階下の天井高さは1~1.1m程度となります。
そのため、半地下にしない限り、居室としては使えません。
一般的な活用方法は、収納スペース(納戸)です。
ただし2畳(1坪)以上の中二階を作る場合、その下は天井高が低く奥に深い収納スペースとなってしまうため、物を出し入れしにくくなる可能性があります。
そのため中二階下を収納として活用する場合は、2方向以上から物を出し入れできるようにしたり、収納棚を引き出して使えるように造作したりするなどの工夫が必要です。
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【間取り図付き】「中二階のある平屋」事例|外観・内観デザイン
クレアカーサではこれまで中二階のある家を多数手がけてきました。その中から特長的な事例を紹介します。
外観と内観の写真をお見せしますので、ぜひ間取りやデザインの参考にしてください。
中二階を書斎として活用する平屋
【施工事例:スキップフロアに書斎のある ナチュラルリビングの平屋】
延床面積 |
117.59㎡(35.57坪) |
敷地面積 |
498.78㎡(150.88坪) |
こちらは、書斎として使える中二階とリビングダイニング脇に配置されたスキップフロアの和室を取り入れた事例です。
吹き抜けに広がる勾配天井を利用して、中二階スペースと中二階下の十分な天井高を確保しました。
それによって、中二階下は人が出入りできる納戸として利用できます。
中二階は、間仕切り壁がないためリビングをゆったり見渡すことができます。開放的な上に、しっかりプライベートな空間に仕上がりました。
一人でゆっくり過ごすのに最高な中二階のある平屋
延床面積 |
121.73㎡(36.82坪) |
敷地面積 |
500.48㎡(151.39坪) |
こちらは玄関の正面に中二階を配置した事例です。リビングの上から少しずらしたため、より一層“おこもり感”が高まります。
壁一面に広がる造作本棚を設置し、一人でゆったり読書を楽しめる空間に仕上げました。
開放的ではあるもののリビングにいる人とは視線が合わないため、一人でのんびり過ごしたい方におすすめです。
「中二階のある平屋」に関するよくある質問
最後に、中二階のある平屋建てを検討している方からよくいただく質問を紹介します。
Q.「中二階にベランダは付けられる?」
中二階にもベランダはつけられます。
ただしベランダを外壁から飛び出すように設置する場合、下の屋外空間は天井高が低めなので活用方法を十分に検討しましょう。
ガーデニング用品やアウトドア用品をしまう物置や雨に当たらない自転車置き場にするのがおすすめです。
Q.「中二階はリフォームで後付けできる?」
リフォームで後から中二階を作る場合、梁や柱などの主要構造部に手をつけなくてはいけない可能性が高いため、耐震面であまりおすすめできません。
新築時の主要構造部を改修せず中二階が作れる場合も基本的には再度建築確認申請をしなくてはいけないため、そのための費用がかかります。
クレアカーサは豊富な施工実績から得た知識と経験を踏まえ、多彩な住宅をお客様へご提供しております。
まだ具体的にマイホーム計画が始まっていない方も、疑問や気になる点はどうぞお気軽にご相談ください。
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まとめ
中二階のある平屋建て住宅を後悔しないためには、メリットだけではなくデメリットとその対策を知っておくことが肝心です。
そして計画段階から中二階をどのように活用したいのかをご家族でじっくりイメージしてみてください。
おしゃれで高品質な家を建てたい方には土地の特性や周囲の環境、ご要望、ご予算を踏まえて、トータルデザインできる会社がおすすめです。
私たちクレアカーサ(株式会社日立プロパティアンドサービス)は、千葉県茂原市にある建築会社です。
デザイン性と省エネ性の両方を備えた「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の普及へも積極的に取り組んでいます。
「デザインも性能もコストも諦めたくない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
監修者情報 クレアカーサコラム編集部
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家づくりに役立つ情報をお届けしています。
・免許情報
・資格情報
・執筆出演
・受賞歴など
住宅業界の専門性について
免許登録
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会
建設業許可番号 国土交通大臣 許可(特5)第29052号 国土交通省
宅建業免許証番号 国土交通大臣(15)第810号 国土交通省
資格情報
- 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、
宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士他
受賞歴
- ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞
・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞
・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会