見せ梁(化粧梁)を生かした家|メリット・デメリットや成功事例を解説
みなさんも、吹き抜けにダイナミックな木製の梁が横切るおしゃれな事例を一度は見かけたことがあるでしょう。
木の風合いを生かしたインテリアデザインがトレンドでもあることから、見せ梁(化粧梁)を取り入れる住宅が増えています。
しかし、単にデザインだけで採用すると思わぬ後悔をしてしまうかもしれません。
そこで今回は「見せ梁(化粧梁)」のメリットとデメリット・注意点を紹介します。
“クレアカーサ”の施工事例や、見せ梁(化粧梁)に関して多くの方からいただく「価格・クロス・照明・ブランコ・後付け」など気になる疑問も解説しますので、これからマイホームを建てる方はぜひ参考にしてください。
コラムのポイント
● 見せ梁(化粧梁)は「デザイン性・快適性」をアップさせます。
● 見せ梁(化粧梁)のある家を後悔しないためには、事前にデメリットや注意点とその対策を知っておくことが肝心です。
● クレアカーサは千葉県でおしゃれ&省エネ性の高い住宅を数多く手がけています。
見せ梁(化粧梁)とは
日本の一般的な木造軸組構造において、主要な構造部が「梁」です。
上の図を見ると、2階梁や火打梁、小屋梁など“梁”とつく構造部位はいくつもありますが、どれも水平方向に配置され、上からの荷重を支え建物の歪みを抑える働きがあります。
この梁は本来天井裏に隠れるように納めるのが通常ですが、それを敢えて見える設計手法が「見せ梁」です。
化粧梁や表し(あらわし)梁と呼ばれることもあります。
昔の日本家屋では一本の無垢材を使うのが通常でしたが、最近はより強度データが明確で入手しやすい集成梁を用いるケースが大半です。
ちなみに、店舗テナントなどで構造に影響しないデザインのためだけに配置される梁材もありますが、住宅においてはほとんど採用されません。
見せ梁のメリット
梁は構造材であるため、住宅の強度を保つためのものです。
しかし、近年はデザイン面や心理面におけるメリットから、梁を敢えて見せる設計にする事例が増えています。
見せ梁の主なメリットは6つです。
- ● 室内の奥行き感が増す(梁が入り口から奥へ配置される場合)
- ● 開放感が増す(吹き抜けでない場合は梁高さ分天井が高くなる)
- ● 吹き抜けと相性がよい(吹き抜けがある住宅でも耐震性を高めやすい)
- ● 室内が明るくなる(吹き抜けの効果)
- ● 高級感やおしゃれ感が増す(木製梁が空間のアクセントに)
- ● 床や天井などと合わせてウッドデザインでトータルコーディネイトできる
- ● 外観のアクセントになる(外部へ取り入れた場合)
見せ梁は平天井と組み合わせるケースもありますが、吹き抜け部分に配置するケースが多く、視覚的にも空間を引き締める効果があります。
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見せ梁のデメリットと後悔しないための対策ポイント
【施工事例:広がりのある空間を叶えるスケルトン階段のある家】
見せ梁はインテリアへダイナミックな見た目と開放感をプラスするメリットがある反面、プランへ採用する前に知っておいた方が良いデメリットや注意点があります。
では、一つずつ詳しく紹介します。
出来上がりをイメージしにくい
ハウスメーカーや工務店から提出される図面は主に平面図や展開図、断面図ですが、それら2Dの資料から梁がインテリアでどのように見えるのかをイメージすることは少々難しいかもしれません。
プランによっては、太く中央に配置された梁だけではなく、部屋の四隅に火打梁(ひうちばり)と呼ばれる部材が見えることもあり、仕上がりを見て「イメージと違う」と感じる方もいらっしゃるようです。
梁がどのように見えるか、必ずインテリアパース(完成図)を確認しましょう。
また天井高に対して見せ梁の高さがどのくらいで、どのようなバランスで見えるのかチェックしておくことも肝心です。
構造上の耐力を確保し、さらに見せ梁をバランスよく見せるためには、梁の高さを床面から梁の下までの高さの1/10程度にするのが良いとされています。
溜まったホコリを掃除できない
吹き抜けに梁を見せる場合、梁の上にホコリが溜まるのが気になるという方もいます。
吹き抜けで梁を表しにすると梁の上端は床から2.8〜3m程度になるため、ホコリ掃除をするためには、背の高い脚立が必要です。
こまめに掃除したい方は梁の近くにロフトや上階ホールを設けて、そこからモップなどで掃除できるようにしておくのがおすすめです。
最近は、戸建住宅の吹き抜けへキャットウォークと呼ばれる渡り廊下のような点検通路を設ける事例が増えています。
吹き抜けによって暖房熱が上に溜まりやすい
吹き抜けを作ると暖房で温められた空気が天井付近に溜まり、足元が冷えてしまうリスクがあります。
床暖房で足元をピンポイントに温める方法もありますが、空間全体を温めるのに時間がかかるため注意しましょう。
家全体の断熱性を高め、外気の影響を受けにくくすると室温ムラが軽減され、少しの空調エネルギーで快適な室温を長時間キープできます。
また、吹き抜け上部にシーリングファンを設置すると、室内の空気を撹拌できて暖気が天井付近に溜まらなくなります。
吹き抜けによって音が響きやすくなる
吹き抜けを作って後悔したという方の中には、音が響いて気になるという方もいるようです。
吹き抜けは空間容積が大きくなり、音が反響しやすくなるため注意しましょう。
吹き抜けと近い場所へ寝室や書斎など、静かに過ごしたい部屋を設けないようにするのがおすすめです。
どうしてもそれが難しい場合は吹き抜けと部屋の間にウォークインクローゼットやトイレなど、人が長時間滞在しない部屋を配置するようにしましょう。
照明の位置が難しい
梁があると、天井に設置する照明の配置が難しくなります。
平天井へ見せ梁を組み合わせる際、梁と梁の間に照明器具を設置すると梁の影に入って光が広がらないケースもあるので注意してください。
また吹き抜けの天井へ照明器具をつけると、ランプ交換の際に足場が必要になる可能性もあります。
見せ梁や吹き抜けの場合はできるだけ光源(光を放つ場所)が低くなるペンダントライトや、壁付けのブラケットライトがおすすめです。
照明を選ぶ際は手元や空間が十分に明るくなるか、そしてライプ交換を簡単にできるかなどを確認してください。
屋根からの熱が伝わりやすい
最上階を見せ梁にして吹き抜けにすると天井裏(小屋裏)スペースがなくなり、屋根が受けた日射熱が室内へ伝わりやすくなる可能性があります。
吹き抜けにする場合、屋根材は高断熱なタイプを選びましょう。
併せて天井の断熱性を高めることも重要です。
高断熱住宅の設計施工実績が豊富な会社へ相談しましょう。
見せ梁を生かした吹き抜けのある住宅事例|内観・外観
“クレアカーサ”では、これまで梁をインテリアに生かした吹き抜けのある家を数多く手がけてきた実績があります。
その中から、特長的な事例をいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【平屋+勾配天井の吹き抜け】
こちらは、ハイサイドライトから差し込む日差しがなんとも柔らかい雰囲気を醸し出す事例です。
ホワイトの勾配天井と木目が見えるように塗装された見せ梁の組み合わせによって、シンプルながらもおしゃれな印象に仕上がりました。
梁の塗装色とフローリング材、家具の色調を揃えることで、統一感のあるインテリアデザインにまとまります。
【キャットウォークのある吹き抜け】
こちらは、吹き抜けに設けたハイサイドライト前に、キャットウォーク(点検用高所通路)を設けた事例です。
太い集成梁、キャットウォーク、板張り天井はナチュラルな素材で統一感あるデザインに仕上がりました。
梁の下にはライティングレールを取り付け、位置を自由自在に変えられるスポットライトを設置したので、ランプ交換も簡単で、キッチンとダイニングを十分明るく照らせます。
【ダークブラウン×ホワイトがおしゃれな吹き抜け】
こちらは、見せ梁をダークブラウンに塗装した事例です。
ホワイトの壁紙と組み合わせて、シックな印象に。
高断熱仕様にして天井にはシーリングファンを設置し、ダイナミックな吹き抜けながらも冬の寒さを感じさせない快適な家に仕上がりました。
【木の温もりが感じられる吹き抜け】
こちらは、格子状に組まれた梁が印象的な事例です。
見せ梁はインテリアの主役と言っても過言ではないほどの存在感があります。
床材と素材の色味を揃え、木の温もりに包まれたインテリアに仕上がりました。
【板張り平天井+見せ梁の吹き抜け】
こちらは、平天井と見せ梁を組み合わせた事例です。
板張り天井と梁、そして、職人がイチから組み立てた格子が印象的なインテリアデザインです。
勾配天井も板張りにし、一歩引いて見た時のデザインバランスにもこだわりました。
【インナーバルコニー・カバードポーチ+見せ梁の外観】
こちらは、外観デザインへ見せ梁を取り入れた事例です。
リビングとウッドデッキを繋ぐ窓面は、外壁面から凹ませてインナーバルコニーに。
その上部にダイナミックな梁が表れる構造にしました。
こちらも、長い見せ梁が印象的な外観デザインの事例です。
片流れ屋根の形状を利用して、玄関ポーチとアウトドアリビングを兼ねた広々としたカバードポーチを設けました。
立派な梁が見えることで外観が引き締まります。
吹き抜けのある家を後悔しないためには、設計施工実績が豊富な建築会社へ相談することが肝心です。
建築会社を選ぶ際はまずその会社の施工事例をチェックしてみましょう。
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見せ梁に関するFAQ|価格・クロス・照明・ブランコ・後付け
最後に、見せ梁を採用するかどうか迷っている方からよくいただく質問を紹介します。
Q.「見せ梁にすると工事費用は高くなる?」
見せ梁にしたからと言って工事費用が高くなることはありません。
ただし、梁へ塗装を施す場合や吹き抜けへロフトなどを作る場合は、多少の追加コストが必要です。
工事費をご予算内に納めたい場合は、建築会社とじっくりプランを検討しましょう。
Q.「見せ梁をクロス張りにできる?」
木製梁の表面にパテ処理をしてクロスを張る工法もありますが、樹種によっては施工後にヤニが染み出してシミになる可能性があります。
長期間クロスをきれいに保ちたい場合は木製梁の周囲をボードで囲い、その上からクロスを張らなくてはならず、コストが割高になるため十分検討しましょう。
また、一度クロスを貼ると定期的な張り替えも必要になります。
Q.「梁に穴を開けて照明器具は設置できる?」
梁へ電気配線が通るほどの小さな貫通孔を開けることはできますが、一般的にはどうしてもやむを得ない場合に限ります。
なぜなら、梁は家の耐震性・耐久性を維持する上で重要な構造部材なためです。
梁へ照明をつけたい場合はライティングレールを設置する方法がおすすめです。
Q.「梁にブランコはかけられる?」
本来、梁は上階や屋根の荷重を支えるためのものなのでブランコを取り付けること自体に問題はありません。
ただし、太いボルト穴や貫通孔を開けることは望ましくないので注意しましょう。
また、梁へブランコを吊るす作業は高所作業となるため、新築時に建築会社へ相談するのがおすすめです。
Q.「見せ梁をリフォームで後付けできる?」
店舗などで用いられている構造体ではない見た目だけの見せ梁は後付けできます。
ただし、部分リフォームでは違和感が拭えないため、スケルトンリフォームの際に行うのがおすすめです。
マイホームの新築で気になることはどんな小さいことでもクレアカーサへご相談ください。
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木の魅力を活かした家は設計施工実績が豊富な会社へ相談を
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クレアカーサではデザイン性と省エネ性の両方を備えた「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の普及へ積極的に取り組んでいます。
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私たちクレアカーサ(株式会社日立プロパティアンドサービス)は、千葉県茂原市にある建築会社です。
クレアカーサ(CREACASA)は、イタリア語で”家 ・ 家族を創り出す”という意味を示しています。
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監修者情報 クレアカーサコラム編集部
-
家づくりに役立つ情報をお届けしています。
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・執筆出演
・受賞歴など
住宅業界の専門性について
免許登録
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会
建設業許可番号 国土交通大臣 許可(特5)第29052号 国土交通省
宅建業免許証番号 国土交通大臣(15)第810号 国土交通省
資格情報
- 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、
宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士他
受賞歴
- ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞
・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞
・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会