冬も夏も快適な室温はどのくらい?温度・湿度の目安と家づくりのコツを解説
「空調に頼らず良好な室内環境を保ちたい」「家族が健康的に暮らせる家を建てたい」とお考えの方へ、冬でも夏でも快適な室温について徹底解説します。
温度と湿度の関係や家づくりのコツを紹介しますので、マイホームの新築を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。
コラムのポイント
● 快適な室内環境は温度と湿度のバランスによって実現します。
● 空間用途や住む人によって適切な室温や湿度は異なりますので、空調機器に頼らずに居心地の良い空間を保てる工夫が必要です。
● クレアカーサは千葉県でスタイリッシュ&高性能な家を数多く手がけています。
快適な室温とは|季節ごとの適温
「快適な室温は感じる人によって違うのでは」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、法令によって目安基準は決められています。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令と労働安全衛生法|事務所衛生基準規則では、建物利用者にとって健康に害の出ない快適な室温は「17〜28℃」と定められています。
ただしこれは通年の適切な室温目安であり、暖房を使用する冬と冷房を使用する夏とでは、人間の体にちょうどいい温度は同じではありません。
冬季 |
WHO(世界保健機関)では、室温を「18℃以上」に保つことを推奨 =18℃以下の室温下では、血圧や睡眠の質が低下し、健康に影響を及ぼす可能性がある(参考:厚生労働省|健康づくりネット) |
夏季 |
夏は軽装の状態で「28℃」程度に保つことを推奨 =体が冷房で冷えすぎず、過剰な冷房使用を防いで省エネ化を実現する(参考:政府広報オンライン|適正な室温で快適に!クールビズの提案) |
人が快適で心地よいと感じる室温は、冬季「18~22℃」、夏季「25~28℃」と言われています。
公共施設などでは「冬季20℃・夏季28℃」の室温をキープすることが基準とされており、家庭部門のCO2排出削減と健康的な生活を両立できる適切な温度とも合致しています。
湿度管理も重要|快適な環境は何パーセントが目安か
快適な室内環境をつくり出す要素として温度と同じく忘れてはいけないのが「湿度」です。
湿度と体感温度は密接にかかわりがあります。
夏には室温が高くても湿度が低ければ涼しく感じ、冬には室温が低くても湿度が高いと寒さを感じにくくなるため、温度と湿度のバランスが重要です。
労働安全衛生法|事務所衛生基準規則内では、健全で労働者の健康を損なわない室内環境を保つためには「相対湿度(※)40〜70%」にするように規定されています。
※相対湿度:水蒸気量と周囲の温度(室温や気温)における飽和水蒸気量との比をパーセントで表したもの。
ただし、季節によって室内における適した湿度は異なりますので注意しましょう。
冬季 |
冬は空気自体が乾燥してさらに暖房の影響で空気が乾燥しやすい(感染症のリスクが高まる) =暖房に頼らず湿度を50〜60%に維持して寒さを和らげる |
夏季 |
湿度60%を超えると「蒸し暑さ」を感じて、温度が高い環境下で湿度70%を超えるとダニやカビが繁殖しやすくなる =湿度40〜50%程度に保つ |
温度・湿度を調節する際の注意点
室内の適切な温度と湿度には標準的な目安があるものの、そこで過ごす人によって感じ方は異なります。
小さな赤ちゃんやペットが過ごす場所や睡眠をとる寝室では、温度と湿度の目安からさらに細かな調節が必要です。
赤ちゃんが過ごす部屋 |
【温度】 【湿度】 |
ペット(犬や猫)が過ごす部屋 |
【温度】 【湿度】 ※品種によって差があるため、必ず獣医など専門家へ詳細をご確認ください。 |
長時間の睡眠をとる寝室など |
【温度】 【湿度】 |
ルームエアコンはサーミスタと呼ばれる温度センサーによって出力パワーを調節して室温を設定温度に近づけます。
室内サーミスタは本体横に付いているのが一般的ですが、室内で温度ムラがあるとうまくできず、特に冬は温度を上げすぎて室内が乾燥しやすいので注意しましょう。
また、季節を問わずエアコンから吹き出る風を直接感じる場所は乾きを感じやすいため、エアコンの設置場所はとても重要です。
家の温度・湿度をキープする鍵は“住宅性能”にあり|断熱・気密・換気
家の室内環境を一年中・一日中快適に保つためには、断熱性能・気密性能・換気性能、そして空調設備にこだわりましょう。
高断熱
家の断熱性を高めると室温が外気温の影響を受けにくくなり、光熱費削減を実現できます。
環境省の試算では家の窓・外壁・屋根・床を高断熱仕様にすると、年間でおよそ9.4万円もの電気代削減につながるとしています。(参考:環境省|デコ活)
高断熱化は省エネをもたらすだけではなく、空調機器のある場所とない場所での室温差や、同じ部屋でも足元が寒くなるなどの温度ムラを防げる点も大きなメリットです。
温度ムラを抑えられると、ヒートショックやウォームショックなどの健康被害が起こるリスクを軽減できます。
高断熱住宅は外壁内や小屋裏、床下などに充填する断熱材の量が多く、窓やドアなど開口部が高断熱仕様になっている住宅を指します。
断熱効果を高めるためには適切な材料選定や施工が必要になるため、実績の豊富な施工会社へ相談しましょう。
気密性
最近の住宅は標準仕様でも昔よりかなり気密性は高まっています。
高気密住宅は外気の流入や適温に調節された室内空気の流出を抑えられるため、温度・湿度を維持する上で重要なポイントです。
ただし、高気密住宅においては換気不足になると人から発せられる水分による湿度上昇や、呼気による空気環境汚染を招くため、適切かつ確実な計画換気が欠かせません。
計画的な換気
厚生労働省では居室の温度と湿度を適切な範囲に保つことに加えて、2方向以上に窓や換気口を設置してそれを常時開放し連続的に室内の空気を入れ替えることを推奨しています。(参考:厚生労働省|「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法)
ところが窓や換気口からの自然換気では住む人が自発的に動かなければ正しく換気されないため、確実性はあまり高くありません。
現在の建築基準法(第28条「居室の採光及び換気」)では、住宅において24時間換気を義務付けているものの、その方法に関する規定はなく自然換気でも良いことになっています。
室内の空気を確実に入れ替えるためには、給気・排気どちらもファンで機械換気する「第一種換気システム」がおすすめです。
24時間365日稼働し続けても、1ヶ月あたりの電気代は1,000円に満たないものが多いため、採用を検討してみましょう。
体に直接風が当たりにくい空調設備
ストーブやエアコンの風が体に直接当たると、乾きを感じたり体温調節がうまくできずに体調不良を引き起こしたりする可能性があります。
そこでおすすめなのが床下冷暖房システムです。
床下冷暖房システムはワンフロアを1台のエアコンで冷暖房できる設備です。
ヒートポンプ式で省エネなだけではなく、冬は床暖房効果で足元から温め、夏は風を感じない清々しい涼しさを体感できます。
初期費用も電気代も低コストなので高断熱住宅と組み合わせる事例が増えています。
室内の温度・湿度は家の寿命にも影響が
【施工事例:海辺でサーフィンを愉しむシンプルでかっこいい平屋の家】
室内の温度や湿度は「家の寿命」にも影響します。
家の断熱性が低く室温と外気温と差があって湿度も高いと、壁内や小屋裏、床下に内部結露が発生するからです。
構造躯体が内部結露によって湿ると、木材腐朽菌やシロアリ発生をもたらします。
柱や土台などの構造躯体が腐食や蟻害を受けると、家の耐震性や強度への影響は避けられません。
そのため室内の快適な環境づくりと家の長寿命化の両方を叶えたい方は、高断熱住宅に詳しい施工会社へ相談しましょう。
▶︎おすすめコラム:断熱性とは?暮らしに与える影響と断熱性の高い家づくりのポイント
まとめ
室内の温度や湿度は快適さや住み心地の良さに直結します。
健康的な生活を送る上でも管理は欠かせません。
しかしこまめに温度や湿度を調節することはそう簡単ではありませんよね。
そのため、家の温度や湿度を保つための高断熱性能や計画換気が必要です。
私たちクレアカーサ(株式会社日立プロパティアンドサービス)は、千葉県茂原市にある建築会社です。
デザイン性と省エネ性の両方を備えた「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の普及へも積極的に取り組んでいます。
「デザインも性能もコストも諦めたくない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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監修者情報 クレアカーサコラム編集部
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家づくりに役立つ情報をお届けしています。
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・受賞歴など
住宅業界の専門性について
免許登録
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会
建設業許可番号 国土交通大臣 許可(特5)第29052号 国土交通省
宅建業免許証番号 国土交通大臣(15)第810号 国土交通省
資格情報
- 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、
宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士他
受賞歴
- ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞
・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞
・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会