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2024年10月25日

【台風に強い木造の家】災害の種類と12の対策・工夫を徹底解説

【台風に強い木造の家】災害の種類と12の対策・工夫を徹底解説

毎年7〜10月になると日本に数多くの台風が接近・上陸します。

そのため、日本の住宅は地震と同様に台風への対策が欠かせません。

しかし「台風に強い家はどんな家?」と疑問に思う方も多いでしょう。

そこでこれまで多くの“災害に強い家”を手掛けてきたクレアカーサが「台風に強い家12の特徴」を紹介します。

「木造住宅は台風に弱い」と言われている点についても解説しますので、ずっと安心して住み続けられる家を建てたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

コラムのポイント

● 日本には毎年数多くの台風が接近・上陸しており、今後その勢力は大きくなる可能性があります。

● 台風に強い家にするためには土地選び・構造・外装・設備選び・間取りにおいて、工夫が必要です。

● クレアカーサは千葉県でスタイリッシュかつ災害に強い省エネ住宅を数多く手がけています。

 

 

台風は増加・強大傾向に

台風は増加・強大傾向に

日本への台風接近数は近年増加しており、地球温暖化などの気象変動による大雨や猛暑日など極端現象※が一因と言われています。(参考:気象庁|大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化

※極端現象:極端な高温もしくは低温や強い雨など、これまでの指標を越える気象現象。

今後は、台風の上陸・接近数が増えるだけではなく勢力が拡大化することも懸念されています。(参考:気象庁|日本の気候変動2020 ―大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書―

実際にこれまで台風の強風や水害などの被害により、家から出られず在宅避難※を余儀なくされるケースも出ています。(参考:令和6年台風第10号による被害状況等について

※在宅避難:災害時に安全性を確認した上で避難所へは行かずに自宅で避難生活を送る方法で、近年感染症拡大防止などの観点から政府が推奨している。

台風対策を準備する際には、まずその被害の種類を知っておくことが肝心です。

 

台風被害の種類

台風被害の種類は主に「風害・水害・高潮害や波浪害」があります。

 

【風害(強風・暴風)】

  • ・風の「巻き上げる力」や「引き抜き力」による建造物の破壊や破損
  • ・飛来物による二次被害

 

【水害(豪雨・浸水被害)】

  • ・多量の雨による河川の氾濫やそれに伴う床上もしくは床下浸水
  • ・下水の逆流(下水管が飽和状態になると、住宅内のトイレや浴室などの排水口から水が噴き出る現象)
  • ・窓など気密性の低い部分から室内に雨が吹き込む被害
  • ・雨を多く含んで軟弱化した地盤が地滑りや土砂災害を引き起こす被害

 

【高潮害や波浪害】

  • ・潮位の上昇による沿岸部を中心とした建造物の破壊や破損(台風の暴風による「吹き寄せ効果」と低気圧による「吸い上げ効果」によって、海面が高くなる)

(参考:気象庁|予報が難しい現象について

 

これら被害傾向を事前に知っておくと、それに対する備えを住まいに施せます。

 

災害に強い家

 

 

台風に強い・安心できる家の12の特徴

台風に強い・安心できる家の13の特徴

【施工事例:光あふれるリビング シンプルスタイルの平屋

住まいにおいて台風の被害に抵抗でき万が一被害を受けてもそれを最小限に抑えられるかどうかは、在宅避難を実現する上でも重要なポイントです。

また、台風に強い家は地震に強い家との共通点も多いため、ご家族の生活と大切な資産を守るためにも欠かせない要素と言えるでしょう。

ここでは「台風に強い家」12の特徴を紹介します。

 

 

高潮害や浸水被害を受けにくい土地

これから土地探しを始める方は、必ずそのエリアがハザードマップでどのような地域になっているか確認しましょう。

ハザードマップとは以下の自然災害リスクを色分けなどで分かりやすく記載した地図です。

  • ・洪水や氾濫
  • ・地震(液状化)
  • ・津波や高潮
  • ・内水(大雨などで排水管が容量オーバーになった際の周辺浸水被害)
  • ・土砂災害

 

国土交通省が運営しているハザードマップポータルサイトで自治体ごとに地図を確認できますので、土地を決める前には必ず入念にチェックすることをおすすめします。

 

軟弱地盤ではない(地盤改良している)土地

河川の氾濫や津波の心配がない土地でも、大雨や地震の際に被害を受ける可能性があります。

特に砂質の軟弱地盤では豪雨の時に地盤ごと流れてしまったり地震後に液状化現象※によって不同沈下で家が破損したりするリスクがあります。

※液状化現象:地震の振動によって地盤を構成する砂などの間に地下水が上がってきて液状のようになる現象で、その上に建物があると不同沈下 (不揃いに沈下を起こす現象)が起こる。

また、ご自身の家は被害を受けなくても崖地や急傾斜地のすぐ下にある家は土砂災害を受けてしまうかもしれません。

 

ポイント

現在は家を建てる前に必ず土地の地盤調査を実施することが義務付けられており、その結果に基づいて適正な地盤改良・地盤補強を行えば、軟弱地盤でも液状化現象を未然に防げます。

 

▶︎おすすめコラム|災害に強い家を実現するチェックポイント5つ|地盤・立地・住宅の構造・間取り・設備

 

耐風圧性が高い構造

耐風圧性が高い構造で台風に強い家に

【施工事例:リゾートの風わたる 海辺のセカンドハウス

天気予報で「強い台風」と呼ばれる場合は風速が33〜43m /秒で、「非常に大きい台風」と呼ばれると風速44〜53m /秒、「猛烈な台風」は風速54m /秒以上が想定されます。(参考:気象庁|台風の大きさと強さ

これだけの風を受けても建物ごと飛んでしまうことはありませんが、風の揺れで家が破損する可能性は考えられます。

そのため、揺れエネルギーを吸収して建物本体へのダメージを軽減する「制振構造」がおすすめです。

制振構造は耐震構造に加えて地震へ抵抗できるため、地震への備えとして採用されるケースも増えています。

また、風は高い場所ほど強くなり建物へ与える影響が大きくなるため、海辺や高台にある土地など風通しの良い場所は建物の高さが低い「平屋建て」がおすすめです。

▶︎クレアカーサが提案する制振システムはこちら

▶︎クレアカーサの平屋建て住宅施工事例はこちら

 

暴風・強風の力を受け流せる屋根形状と屋根材

建物の高さに加えて、屋根の形状によっても暴風・強風の被害規模は変わります。

勾配が緩やかで海や山など風が吹いてくる方向に直行した流れの屋根は、比較的風の力を受け流しやすいとされています。

台風で飛びにくい屋根材は重量のある瓦屋根ですが、飛ぶ可能性がゼロという訳ではなく、飛べば周囲に大きな被害を出し建物への荷重負荷が大きいため、地震の影響が大きくなる点は否めません。

そのため、近年は軽量・高耐水・高耐久なガルバリウム鋼板の屋根材を採用する事例が増えています。

 

ガラスが割れにくい高気密な窓サッシ

最近の住宅は開放的で大きな窓を設ける事例が多いですが、台風の時に飛散物によってガラスが割れてしまう危険性があります。

そのため、風通しがよく外に飛散物をブロックするものがない大きな窓ガラスは、防災防犯ガラスにしておくと安心です。

防災防犯ガラスは強化ガラスの一種で、物がぶつかっても貫通しにくく断熱性の高いペアガラスにも組み合わせられます。

海沿いの家など強風にさらされやすい地域では、窓サッシの隙間から雨水が吹き込んでくるのを防ぐために、高水密性サッシ※を採用しましょう。

※高水密性サッシ:窓サッシの水密性は、風を伴う窓に対する防水性を意味し、JIS規格によってサッシ1㎡あたりにおける耐久風圧力で5等級に分けられています。(W-1〜5で数字が大きいほど「枠外への流れ出し・飛沫・吹き出し・溢れ出し」を防げる)

 

︎台風被害を抑える窓シャッターやガレージシャッター

窓ガラスやガレージの飛散物対策として有効なのが、窓シャッターやガレージシャッターです。

これらのシャッターは防災面だけではなく防犯の観点から設置を希望される方も少なくありません。

また雨戸や車庫の伸縮門扉よりもスムーズに開閉でき、電動化できる点がポイントです。

 

耐水性の高い外壁

台風の際には外壁の小さな隙間やヒビから内部まで雨水が侵入する可能性があります。

そのため、できるだけ耐水性・耐久性の高い外壁材を採用しましょう。

そこで人気なのがガルバリウム製の金属サイディングです。

継ぎ目が表に出ない構造になっており、雨による腐食リスクもほとんどありません。

耐用年数は30〜40年でフッ素コーティングを施した更に長寿命なものもあります。

▶︎おすすめコラム:「ガルバリウム鋼板を屋根・外壁に」後悔しないために知っておくべきメリット・デメリットとおしゃれな施工事例

 

停電時に安心の太陽光発電システム・蓄電池

太陽光発電で台風に強い家に

【施工事例:家族の絆育む シンプルスタイルの白い家

台風時だけではなく地震時に家が停電になる可能性は低くありません。

もはや私たちの生活は電気なしでは継続できないため、万が一に備えて太陽光発電システムと蓄電池を設置するのもおすすめです。

キッチンの加熱調理器や給湯器も電気式にしてオール電化にすれば、停電時もいつもと変わらない生活を維持できる可能性が高まります。

最近は太陽光発電や蓄電池の導入に対して補助金や減税制度も設けられているため、今がまさに導入のチャンスと言って間違いありません。

▶︎太陽光発電システムを“実質0円”で導入できる「建て得」プラン

▶︎家庭用蓄電池なしでも災害時に家で電気が使える「そなえるでんき」プラン

 

ポイント

クレアカーサは太陽光発電を備えた「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の普及へ積極的に取り組んでいます。※2023年度のZEH普及実績は83%

「デザインも性能もコストも諦めたくない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

▶︎クレアカーサのZEH詳細ページはこちらから

 

▶︎おすすめコラム:新築住宅へ太陽光発電システムを導入すべき?メリット・デメリットをわかりやすく解説

 

十分な備蓄スペース

台風や地震の際に電気や水道などのライフラインが復旧するまでに1週間程度かかるケースは珍しくありません。

その間も道路の断絶や交通規制によって思うように食品や飲料水、日用品を買いに行けないことも想定できます。

そのため、政府では家族全員が生活する上で必要な食品や飲料水、日用品を最低でも3日間、できれば1週間から10日分は自宅内で備蓄することを推奨しています。

これらを取り出しやすく在庫管理しやすいようにストックできる場所が必要です。

最近は備蓄品を日常生活で使いながら買い足すローリングストック※が浸透してきており、パントリーやシューズインクローゼットを備蓄スペースと兼用する事例が増えています。

※ローリングストック:普段から使う食品や飲料水、日用品を少し多めに購入して消費しながら備蓄する方法で、備蓄品の賞味期限や使用期限オーバーを防げる。(参考:内閣府|できることから始めよう!防災対策

 

複数の避難経路がある間取り

複数の避難経路がある間取りで台風に強い家に

【施工事例:ウチとソトが繋がる 白いアメリカンハウス

台風の時には大きな木が倒れて玄関を塞いでしまうような予想外の事態になる可能性があります。

そのため、台風に限らず災害に強い家の条件として、複数の避難経路があることが重要なポイントです。

上の事例はリビングに面してウッドデッキがあり、その間を大開口サッシでつないでいます。

このように玄関以外からも外へスムーズにアクセスできると、ご家族が安全に家の外へ避難できるだけではなく消防隊の救助も迅速に進みます。

 

外部の塩害対策

海から近い場所に建つ住宅は、外回りの塩害対策も欠かせません。

台風の時には低気圧による「吸い上げ効果」によって空気中に塩分を含む水分が増え、それが風で吹き飛ばされて家に多く降りかかるためです。

塩害地域は海から500〜7,000mの範囲、重塩害地域は200m〜500mの範囲で、そのエリアに家を建てる場合は金属素材が錆びたりモルタルが劣化したりする可能性があります。

そのため樹脂サイディングや樹脂サッシ、板張り外壁の採用をご検討ください。

また台風や強風の後すぐに外部を水洗いできるように外に立水栓を設置しておくのもおすすめです。

 

風の影響や被害を軽減する植栽・エクステリア計画

風の影響や被害を軽減する植栽・エクステリア計画で台風に強い家に

【施工事例:ドライガーデンが彩る 海辺のサーファーズハウス

風や風による飛来物から家を守るために、植栽計画やエクステリア計画にもこだわりましょう。

建物の周りに植栽するとそれが防風林と同じく風速低減効果をもたらします。

ただし高木を植えると風で倒れて家を壊したりする可能性があるため、植栽やエクステリアも合わせて相談できる建築会社へ相談しましょう。

▶︎おすすめコラム:新築住宅の外構|メリット・デメリットやタイミング、費用目安、デザインポイント、成功事例を解説

 

クレアカーサの施工事例はこちらから

▶︎住まいの間取りに関するご相談はこちらから

 

 

「木造住宅は鉄筋コンクリート造より台風に弱い」とは限らない

いくら控除される?控除額シミュレーションの方法

【施工事例:海辺でサーフィンを愉しむシンプルでかっこいい平屋の家

「台風に強い家」について調べると「木造住宅は弱い」「鉄筋コンクリート造にした方がいい」というような情報を目にするかもしれません。

確かに台風被害を受けやすい沖縄県では約70%の住宅が風で揺れにくい鉄筋コンクリート造(RC造)です。

しかし鉄筋コンクリート造は経年劣化や塩害によって鉄筋が腐食してしまいます。

そのため、近年は沖縄県でも木造住宅が増えているのが実情です。(参考:沖縄県|住宅建設の動向

その理由は木造住宅における制振・耐震技術が進化し、耐水性の高い外装材が増えているからです。

また最新の建築基準法では、耐風圧力に対して「その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて30メートル毎秒から46メートル毎秒までの範囲内において国土交通大臣が定める風速」を基準に設計することが規定されています。(参考:建築基準法施工令第87条

そのため新しい木造住宅は地域特性を踏まえて台風にも耐えられる構造であることが求められるのです。

 

ポイント

「木造が台風に弱く鉄筋コンクリート造が強い」とは限らず、台風への抵抗力は構造種別ではなく構造設計にかかわります。

クレアカーサは在来工法の構造強度を担う「軸組」とツーバイフォー工法の構造強度を担う「パネル工法」を組み合わせて両方のメリットを持つ工法を採用しています。

▶︎クレアカーサの「災害に強い家づくり」はこちらから

 

 

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まとめ

日本に接近・上陸する台風が増えており、その勢力は今後より一層大きくなることが予測されています。

これから家を建てる方は地震と合わせて台風にも強い家を建てましょう。

土地選びや構造、外装、設備選び、間取りにおいて、様々な対策や工夫が必要です。

おしゃれで災害に強い省エネ住宅を建てたい方は、施工事例が豊富で土地の特性や周囲の環境・ご要望・ご予算を踏まえてトータルデザインできるクレアカーサへご相談ください。

 

ポイント

私たちクレアカーサ(株式会社日立プロパティアンドサービス)は、千葉県茂原市にある建築会社です。

デザイン性と省エネ性の両方を備えた「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の普及へも積極的に取り組んでいます。

「デザインも性能もコストも諦めたくない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

▶︎クレアカーサのZEH詳細ページはこちらから

 

監修者情報 クレアカーサコラム編集部

家づくりに役立つ情報をお届けしています。 ・免許情報 ・資格情報 ・執筆出演 ・受賞歴など

住宅業界の専門性について

免許登録
資格情報
  • 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、
    宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士他
受賞歴
  • ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞
    ・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞
    ・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等

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