回遊動線のある家の間取り事例|メリット・デメリット
施工事例やモデルハウスを見ていて、回遊動線という言葉を目にしたことはありませんか?
家の中をぐるりと一周できる回遊動線は、家事効率や開放感のアップなどメリットがたくさん♪
ただし注意すべきデメリットもあるため、あこがれだけで採り入れるとかえって暮らしにくい家になってしまう可能性もあります。
今回は回遊動線のメリット・デメリットを両方確認し、実際の間取り図・施工事例もチェックしてみましょう。
コラムのポイント
- ● 回遊動線はメリット・デメリットを把握し、ライフスタイルに合わせることが大切です。
- ● リアルな生活シミュレーションをして、回遊動線の後悔を防ぎましょう。
回遊動線とは?
行き止まりが無く、家の中をぐるりと移動できる間取りのことを回遊動線と呼びます。
一般的な間取りでは、お部屋や廊下の突き当りまで行ったら引き返す動線になります。
回遊動線の場合は引き返す必要がないため、ぐるぐる回りながら効率の良い生活を送れるのが特徴です。
実は襖や障子で間仕切りしていた昔の日本家屋は基本的に回遊動線でした。現代のライフスタイルでも様々なメリットがあるため、再び回遊動線の人気が高まっています。
回遊動線のメリット
動線の選択肢が多い
回遊動線は複数のルートを選ぶ事ができるのが特徴です。
家事や生活シーンに合わせてスムーズな動線を選びやすく、効率の良い暮らしを送れるのがメリット。
また忙しい朝の時間帯に家族が渋滞するのも回避しやすいです。
開放感がアップする
行き止まりの無い回遊動線は、視覚的・精神的な開放感を得られるのも意外なメリットの一つです。
ガラスの入った採光タイプの建具を選べば、視線が抜けて光も取り込めるので明るく開放的なお部屋をつくりやすいです。
家事効率が良い
引き返す移動のムダを無くせる回遊動線は、家事効率がアップするのも大きなメリット♪
普通の間取りだと掃除機をかけるとき行き止まりで引き返しますが、回遊動線ならぐるりと効率よくお掃除できます。
回遊動線のデメリットと対策
設計難易度が高い
回遊動線は間取りが複雑になりやすいため、比較的設計難易度が高い点は注意すべきデメリットです。
ただ行き止まりを無くすだけでは暮らしやすい間取りになりません。それぞれの部屋のつながりを考え、どの生活シーンでも効率的な動線を描けるように設計する必要があるのです。
回遊動線の経験が無いハウスメーカーやプランナーだと、暮らしやすい間取りに仕上げるのは難しいかもしれません。
施工事例をチェックして回遊動線を得意とするハウスメーカーを選び、プロ目線でのアドバイスをもらいましょう。
居住空間や収納を圧迫することがある
回遊動線は住まいに占める通路の面積が多くなり、居住空間や収納が圧迫されやすいのもデメリットの一つです。
例えばアイランドキッチンは回遊動線の一種ですが、ほかのレイアウトより広いスペースが必要になります。
回遊動線のために廊下をたくさんつくると、その分ほかのお部屋が狭くなってしまいます。
対策としては効率の良い間取りにするのが効果的です。
例えば洗面所やクローゼットに出入り口を2か所つけてウォークスルー化すれば、廊下を増やさず回遊動線をつくることができます。
扉を一つ増やしてショートカットをつくるだけで回遊動線になるケースも多いです。
家具置き場が減る
ドアや開口部を増やして回遊動線をつくると、壁の面積が少なくなり家具置き場が減るのもデメリットと言えます。
例えば洗面所に出入り口を二か所作るとドア一つ分家具を置くスペースが減ってしまう、ということです。
完成後に家具の置き場に困らないよう、回遊動線を考える際は必ず家具の配置までシミュレーションしましょう。
平面図に家具のサイズを書き込み、無理なく配置できるかシミュレーションすれば失敗を回避しやすいです。
引っ越しを機に家具を買い替える場合も、キャビネットやテーブルなど一般的なサイズでシミュレーションしてみましょう。
プライバシー性との兼ね合いが難しい
回遊動線は家の中を移動しやすい分、各部屋のプライバシー性が低くなるケースも多いので要注意。
例えばリビングを回遊動線の一部に組み込むと、お客様が来ているときに洗濯カゴを持って通りにくいケースが考えられます。
洗面所が回遊動線になっている場合、家族が入浴中は通りにくくなる可能性が高いです。
回遊動線は移動効率だけを考えるのではなく、通る場所のプライバシー性にも配慮しましょう。
建築コストが高くなりやすい
通路やドアを増やして回遊動線をつくると、建築コストは高くなる場合があります。
回遊動線のために延べ床面積を増やしてしまうと、コスト増加の原因の一つとなります。
前述したように間取り効率の良いアイデアを採り入れ、建築コストをなるべく抑えましょう。
回遊動線のある家の間取り事例
事例①
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「我が家には“行き止まり”が無いんです」とおっしゃるI様邸は、細かな部分まで動線を考えたプラン。外出先から帰ったら洗面室へ。
そしてキッチン、ダイニング、リビングと回遊できるようになっています。
アイランドキッチンには木目が美しいカウンターを設置し、リラックスした時間を愉しむバーカウンターを。
事例②
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「帰宅後はすぐ手を洗いパントリーやキッチンへとスムーズに移動できるようプランニング。共働きということもあり、家事動線や生活動線に配慮しました」
事例③
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「共働きの私たちが一番こだわったのは家事がラクにできる動線。」
室内のドアを開放すれば、あちこちから洗濯物を干したり取り込んだりできるのも夢に描いた通り」とK様。
後悔しない回遊動線の考え方
最後に、回遊動線の後悔を防ぐ考え方をまとめてチェックしましょう。
デメリットの項目でお伝えしたこともありますが、改めて覚えておいてください。
回遊動線が必要なのか考える
様々なメリットのある回遊動線ですが、どのライフスタイル・間取りにもマッチするわけではありません。
ある程度対策は可能ですが、状況によってはデメリットの方が大きいこともあります。まずはご自宅に回遊動線が必要なのかじっくり考えてみましょう。
ぐるりと一周できなくても、ショートカットを一か所作るだけで十分暮らしやすくなるケースも多いです。
回遊動線はそれ自体が目的ではなく、暮らしやすい住まいをつくる一つの「手段」であることを意識しましょう。
生活をリアルにシミュレーションする
回遊動線は考えるべきポイントが多い間取りなので、普段の生活をなるべくリアルにシミュレーションしましょう。
間取りを最終決定する前に精度の高いシミュレーションをすることで、「こうすればよかった・・・」という後悔を防ぎやすくなります。
朝起きてから仕事や学校に行き、帰宅後就寝するまでの行動を一つずつシミュレーションしてみてください。
平日・休日で生活や家事のパターンが変化することもあるので、条件を変えてみることも大切です。
少し大変な作業ですが、間取りのムダを見つけることで、より効率的に暮らしやすい回遊動線に仕上がります♪
複数の役割を持たせる
一つの出入り口・動線に対し、複数の役割を持たせることも大切なポイントです。
せっかく回遊動線を作っても、通る頻度が低いと「別に要らなかったかな・・・」と後悔する可能性が高いです。
逆に様々な家事・生活シーンで活用できる動線は、使用頻度が高くなり暮らしやすさをアップしてくれます。
一部屋に複数の役割を持たせると、間取り効率のアップにもつながります。
まとめ
家事・生活効率の良いお住まいをめざすなら、ぜひ回遊動線を一つの選択肢として検討してみてください。
ただしただ採り入れれば良いわけではなく、メリット・デメリットを把握してカスタマイズすることが大切です。
クレアカーサではたくさんの住まいづくりをお手伝いしたノウハウを活かし、回遊動線も含めた暮らしやすい間取りプランをご提案いたします。
ここでご紹介した以外にもたくさんの施工事例がありますので、ぜひご覧ください。
クレアカーサでは、2棟のモデルハウスを公開しています。
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お客様との何気ない会話からご要望を見つけ出し、アドバイスやご提案をさせていただいておりますので、ぜひお気軽にお声がけください。
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資格情報
- 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、
宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士他
受賞歴
- ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞
・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞
・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等
- 建築士事務所登録番号 千葉県知事登録 第1-1907-7917号 公益社団法人 千葉県建築士事務所協会