【2022】住宅ローン控除中…増改築の控除は併用可能?
マイホームを手に入れて数年。『ライフスタイルの変化に合わせて増改築を検討しているものの、増改築のローンも控除対象になるの?』というのは疑問に思うところですよね。現段階で、住宅ローン控除と増改築のローン控除は併用可能ですが、そのためにはいくつか条件を満たす必要があります。
今回のコラムでは、住宅ローン控除中に増改築の住宅ローン控除が適用される条件や手続きの流れ、申請時の注意点など、制度活用前に知っておきたいポイントについてまとめました。これからのリフォーム計画に、ぜひお役立てください。
コラムのポイント
・住宅ローン控除を受けている途中でも、増改築のローンは控除対象になります。
・ライフスタイルが変われば、より暮らしやすくするためにも増改築工事は必要になるもの。うまく制度を活用して、増改築工事の計画を立てていきましょう。
Contents
住宅ローン控除中だけど増改築を検討中…
住宅取得時に利用した住宅ローン控除。この控除を受けている中で増改築を行う場合、増改築も住宅ローン控除対象になるのか気になりますよね。
ローン残高が控除される『住宅ローン控除』
住宅ローンを借入れて住宅を取得する際、金利負担の軽減を図るための制度が『住宅ローン控除』です。年末の住宅ローン残高、もしくは住宅の取得対価のうち少ない方の金額の1%が毎年10年間に渡り所得税額から控除されるものです。所得税から控除しきれない場合は、一部住民税からも控除されます。
増改築の控除は併用可能?
元々優遇されている住宅ローン控除ですが、さらに増改築をした場合でも併用は可能です。全ての増改築工事が可能になるわけではないため、どのような内容であれば住宅ローン控除対象になるのか、あらかじめ調べた上でリフォーム計画を進めていきましょう。
増改築の住宅ローン控除が適用される要件と工事内容
増改築時、住宅ローン控除を受けるためには一定の要件を満たす必要があります。
増改築の住宅ローン控除が適用される要件
・増改築の日から6ヶ月以内に住んでいること、さらに住宅ローン減税の適用を受ける年の12月31日まで住んでいること
・増改築後の建物の床面積は50㎡以上あること
・増改築にかかった費用が100万円以上であること
・住居兼事務所の場合、居住用スペースの工事費用が増改築にかかった費用総額の1/2以上であること
・工事をしたことを、増改築等工事証明書で証明できること
増改築の住宅ローン控除が適用される工事内容
① 増改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または大規模な模様替え工事
床、壁、柱、はり、屋根または階段のいずれか1箇所以上の修繕・模様替えをいいます。
② マンションの専有部分の床、階段または壁の半分以上を修繕・模様替え工事
③ 居室、調理室、浴室、トイレ、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床または壁全ての修繕・模様替え工事
④ 現行耐震基準に適合させる耐震改修工事
旧耐震基準で建てられている住宅を、現行の耐震基準を満たす構造に改修する工事です。
▶︎フルリノベーションで耐震性はどう変わる?耐震補強工事の基礎知識
⑤ 一定のバリアフリー改修工事
体が不自由な方やご年配の方が不自由なく暮らすために、住宅の機能を改善する工事です。
⑥ 一定の省エネ改修工事
太陽光発電装置の設置や、住宅の断熱性を高める省エネ改修工事です。
⑦ 多世帯同居改修工事
二世帯、三世帯がともに暮らすためにキッチンやバスルーム、トイレ、玄関などを増設する工事です。
▶︎【二世帯住宅】リフォームのメリット・デメリットと注意点を解説
上記の内容が住宅ローン控除対象工事ですが、バリアフリー改修工事や省エネ改修工事、多世帯同居改修の場合、特定増改築等住宅借入金等特別控除のようなリフォーム減税の方が有利になるケースもあります。住宅ローン減税とリフォーム減税両方を活用することはできないため、事前に確認しておきましょう。
▶︎国税庁:借入金を利用してバリアフリー改修工事をした場合
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1218.htm▶︎国税庁:借入金を利用して省エネ改修工事をした場合
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1217.htm▶︎国税庁:借入金を利用して多世帯同居改修工事をした場合
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1223.htm
住宅ローン控除の手続きの流れ
住宅ローン控除の手続きは、以下の流れで行います。
申請方法
増改築をした年の収入で申告を行うため、増改築翌年の確定申告時に必要書類を税務署に提出します。給与所得者の場合、ローン残高証明書を勤め先に提出することで、年末調整で控除を受けることができます。
提出書類
確定申告では、以下の書類を提出します。
・確定申告書
1月1日〜12月31日までを課税期間として、個人の収入や支出、医療費や扶養親族の状況等から所得を計算し、納付すべき所得税額を確定する書類です。
・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
住宅ローン控除を受ける金額を計算するための書類で、税務署または国税庁のホームページから入手します。
・本人確認用書類
マイナンバーが記載されている住民票、またはマイナンバーカード(マイナンバー通知カード)、加えて運転免許証やパスポートを提出します。
・建物・土地の登記事項証明書
増改築を行った年月日やかかった費用がわかる書類を提出します。補助金工夫を受けている場合は、補助金額を証明する書類も必要です。
・建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
注文住宅の場合は建物の請負契約書、マンションの場合は売買契約書など住宅によって契約書が異なります。
・源泉徴収票
『給与を支払う側が、1年間にいくら給料を支払い、所得税をいくら納めたか』について記載してある書類です。
・住宅ローンの残高証明書
金融機関から発行してもらう残高証明書で、2ヶ所以上から交付を受けている場合、そのすべての証明書が必要です。
・一定の耐震基準を満たす中古住宅の場合、住宅性能評価書の写しまたは耐震基準適合証明書
・認定長期優良住宅もしくは認定低炭素住宅の場合、認定通知書の写し
▶︎【戸建て住宅】フルリノベーションの基礎知識|費用相場と注意点
申請時の注意点
住宅ローン控除を申請する際、事前に確認しておきたい点があります。
他に利用できる補助金・減税措置がないか確認しておく
工事内容によっては、住宅ローン控除ではなく『贈与税の非課税措置』や『固定資産税の減税』などの政府度が利用できる可能性があります。利用する制度によっては、住宅ローン減税よりもお得になることもあるため、対象工事にあたるかどうかを事前に確認しておきましょう。
難しい手続きは問い合わせる
準備する書類や申請できる制度、条件、手続き内容などわかりにくい部分が多々あります。難しい部分に関しては、国税庁や税務署、増改築を依頼するリフォーム業者へ問い合わせてあらかじめ確認しておきましょう。
国税庁:増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1216.htm
増改築時は積極的に制度の活用を!
住宅ローン控除を受けている途中でも、増改築時にはさらに住宅ローン控除を活用することができます。ライフスタイルが変われば、より暮らしやすくするためにも増改築工事は必要になるもの。うまく制度を活用して、増改築工事の計画を立てていきましょう。
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